映画「クララ・シューマンの愛」 ドイツ映画祭2008にて上映 新宿バルト9

以前、このニュースのコーナでもお知らせしたクララの新作映画「クララ・シューマンの愛」が新宿にて開催されるドイツ映画祭2008で2回だけ上映されます。チケットはぴあで発売中。 ※ぴあでの取り扱いは終了した模様。

■ドイツ映画祭2008
「クララ・シューマンの愛」 (Geliebte Clara)

 ヘルマ・サンダース=ブラームス監督
 (HelmaSanders-Brahms)
 2007年 ドイツ 104分

●上映日時
2008年 10/31(金) 14:00~
2008年 11/3(月・祝) 13:20~

●上映会場: 新宿バルト9 シアター6 [座席表

●映画詳細

●ドイツ映画祭2008 公式サイト

●チケット取り扱い: ぴあ

発売情報(公式サイト)

発売情報(ぴあ 映画祭情報)

発売情報(10/31)

発売情報(11/3)

●予告編 (リンク切れで再生できない場合あり)


●この映画の公式ウェブサイト

【参考】 シューマン夫妻を描いたこのほかの映画

●当ニュース欄でこの映画の情報を検索
検索用インデックス: "クララ・シューマン 愛の協奏曲"

フォルテピアノが熱い! (3) アンドレアス・シュタイアー リサイタル、トーク・イベント、CD発売情報

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さて、ここで取り上げるフォルテピアノのコンサート、3つ目はアンドレアス・シュタイアーのトーク・イベント(東京)とオール・シューマンのリサイタル(東京、大阪)です。

シュタイアーがシューマンのピアノ協奏曲をフォルテピアノで録音したCD(ヘレヴェッヘ指揮)は、以前、当サイトの掲示板でもしばらく話題になりましたので、彼の名前をご記憶の方も多いことと思います。フォルテピアノでピアノ協奏曲を録音したほどシューマンに共感している(と思える)人なのに、リサイタルではシューマンは取り上げないんだな…というのがこれまでの私の彼に対する率直なイメージでした。このピアノ協奏曲のCDもすばらしいけれど、私の大好きなプレガルディエンとの共演による「詩人の恋」のCDがこれまたすばらしく、聴く度に新しい発見がありますから、彼がもしもシューマンの独奏曲を弾いたら、どんなにすばらしいだろうとこれまで想像してきました。その彼がいよいよシューマンの独奏曲を日本のリサイタルでも取り上げるというのですから、これは本当に楽しみです。

発表されたトッパンホールでのリサイタルのプログラムは「シューマン・プログラム ― J.S.Bachへのオマージュ、おとなのためのメルヘン」と題されたもの。トッパンホールのサイトや公演チラシなどによると、バッハ作品の影響を受けてシューマンが作曲した作品をつないで構築する「おとなのためのメルヘン」というのが企画コンセプトのようです。「こどものための」作品を散りばめられたプログラムはよく考えられた構成。冒険的でありながら渋い。けれど、「おとな」がじっくり楽しみつつ、ファンタジーの翼に乗って飛び立てそうだなと確かに思えます。

なお、トッパンホールのリサイタル前日(11/6(木))、シュタイアーによるトーク・イベントの開催が急遽決まったそうです。リサイタルのチケットを既に買われた方も、トッパンホールのウェブサイトでチェックしてみてください。 ( → シュタイアー トーク・イベント

また、この来日コンサートにあわせて、シューマンのCDが発売されました(10/17発売)。日本のアマゾンにはまだ出ていないようですが、ドイツ、フランスのアマゾンでは11月発売予定と出ていました。国内の大手CDショップのサイトでも検索可能なようです。

(CD)
アンドレアス・シュタイアー
「バッハに捧ぐ~シューマン:ピアノ作品集」
Harmonia Mundi (HMC 901989)

Andreas Staier
"Hommage A Bach"

(追記 2008.10.22)
CDを買ってきましたので後で詳細データを追加します。

(追記 2008.10.23)
新譜データをざっと簡単に掲載しました。

■アンドレアス・シュタイアー 東京公演

〈アンドレアス・シュタイアー プロジェクト 3〉
アンドレアス・シュタイアー フォルテピアノリサイタル
シューマン・プログラム
― J.S.Bachへのオマージュ、おとなのためのメルヘン
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(フォルテピアノ) アンドレアス・シュタイアー
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2008年 11/7(金) 19:00開演 トッパンホール
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(オール・シューマン)
こどものためのアルバム op.68 より
   第4番 コラール
   第14番 小さな練習曲
   第16番 最初の喪失
   第18番 草刈りの歌
   第27番 カノン風の歌
   第28番 思い出
   第23番 騎手の曲
   第30番 無題
スケルツォ、ジーグ、ロマンツェとフゲッテ op.32
(4つのクラヴィアシュテュッケ op.32)
フゲッタ形式の7つのピアノ小品 op.126 より
   第1番
   第2番
   第3番
森の情景 op.82
こどものためのアルバム op.68 より
   第42番 装飾的コラール
   第29番 異国の人
   第34番 テーマ
   第36番 イタリア人の船乗りの歌
   第39番 冬の季節II
フゲッタ形式の7つのピアノ小品 op.126 より
   第4番
   第5番
   第6番
   第7番
こどもの情景 op.15
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【予約・問い合わせ】
トッパンホールチケットセンター 03-5840-2222
http://www.toppanhall.com/

●詳細 (リンク切れの場合あり)

■追記 (2008.11.26)

(アンコール、J.S.バッハ)
平均律クラヴィア曲集 第2部 24の前奏曲とフーガより ホ長調 BWV 878
教理問答書 コラールより 聖霊なる神よ (キリエ) BWV 672

※アンコールの演奏は3回。1回目に BWV 878 の 前奏曲を演奏、2回目にフーガを演奏、3回目に BWV 672 を演奏。

※使用楽器は10月に霊南坂教会でお披露目された伊藤深雪さん所有のクリストファー・クラーク製作(2007, フランス)のコンラート・グラーフ(1826, ウィーン)の複製。

■追記 (2009.02.18)

「三籟日記」関連記事を書きました。
2008年のコンサート まとめ (3)の(1) - シュタイアー祭り、フォルテピアノ祭り

■アンドレアス・シュタイアー トーク・イベント
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2008年 11/6(木) 19:00開演 トッパンホール
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(出演) アンドレアス・シュタイアー
(聞き手) 舩木篤也 (音楽評論家)
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【問い合わせ】
トッパンホールチケットセンター 03-5840-2222
http://www.toppanhall.com/

●詳細 (リンク切れの場合あり)

■アンドレアス・シュタイアー 大阪公演

アンドレアス・シュタイアーがフォルテピアノで紡ぎ出す
"子供の情景~大人のメルヘン"
J.S.バッハに触発されたオール・シューマン・プログラム
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2008年 11/11(火) 19:00 ザ・フェニックスホール
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(フォルテピアノ) アンドレアス・シュタイアー
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(オール・シューマン)
こどものためのアルバム op.68 より
スケルツォ、ジーグ、ロマンツェとフゲッテ op.32
(4つのクラヴィアシュテュッケ op.32)
フゲッタ形式の7つのピアノ小品 op.126 より
森の情景 op.82
子供の情景 op.15
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【問い合わせ】
おふぃすベガ 0798-53-4556
http://www.office-vega.net/

●詳細 (リンク切れの場合あり)
●詳細 (ヤマモトコレクション) (大阪公演の使用楽器が記載されています)
●ザ・フェニックスホール

【備考1】
シューマン・プログラム以外にも、クリスティーネ・ショルンスハイムとの共演によるフォルテピアノ&チェンバロのデュオコンサートがあります。( → 詳細

【備考2】
これまでに発売されたシュタイアーのシューマンのCD

詩人の恋 op.48 (ハイネ)

rec. 1993/11/29-12/02, Maximiliansaal Hamm
使用楽器: Johann Fritz, Wien ca.1825

アンドレアス・シュタイアー (pf.)
クリストフ・プレガルディエン (tn.)

Andreas Staier, pf.
Christoph Pregardien, tn.

deutsche harmonia mundi [05472 77319 2]
BMG JAPAN [BVCD-38232]

ピアノ協奏曲 イ短調 op.54

rec. 1996/01, Studio 103 de la Maison de Radio France, Paris
使用楽器: J.B. Streicher ca. 1850.
                Edwin Beunk Collection

アンドレアス・シュタイアー (pf.)
フィリッペ・ヘレヴェッヘ (cond.)
シャンゼリーゼ管弦楽団

Andreas Staier, pf.
Philippe Herreweghe, cond.
Orchestre des Champs Elysees

harmonia mundi [HMC 901555]
harmonia mundi [HMA1951731]

■関連リンク
http://www.andreas-staier.de/
http://www.harmoniamundi.com/

(追記 2009.08.03)
「CDジャーナル」 2009年6月号 に 音楽評論家の松本學氏によるシュタイアーのとても興味深いロング・インタビューが掲載されています。シューマンについてたくさん語っている内容です。「CDジャーナル」のサイトでも読めるようです(有料)。

CDジャーナル

10月・11月のN響アワーでシューマン

 「音楽の友」誌上において「シューマンの音符たち」の連載が絶好調、作曲家の池辺晋一郎さんの名司会でおなじみのNHK教育テレビ「N響アワー」にて10月・11月の2回、シューマンが取り上げられるようです。

 今年度、「N響アワー」をご覧になった方でしたら、番組冒頭の「テーマ」音楽が「ライン」に変っていることにお気づきかもしれません。10月12日の放送ではその「ライン」にちなみ、「川」をテーマにした作品を聴き比べるとのこと。ちょうどシューマンの連載をなさっている(そして「ライン」についても音友6月号でお書きになったばかりの)池辺さんの解説が楽しみなところ。番組で使われる定期の映像は(私も聴きに出かけた)2005年6月11日(5月定期-A-1日目)、パーヴォ・ヤルヴィ指揮の演奏。 (トラーゼがプロコの3番を弾いた定期。6月開催ですが5月の定期です。)

 さらに11月9日の放送では先週10月4日の定期公演(10月定期-A-1日目)から、先日、当サイトでもお知らせしたイモジェン・クーパー氏の独奏によるシューマンのピアノ協奏曲(アンドリュー・リットン指揮)が取り上げられる予定とのことです。こちらも演奏に加え、池辺さんのお話がとても楽しみです。

■NHK教育テレビ 「N響アワー」

・ 2008年 10/12(日) 21:00~22:00
「川のシンフォニー」

 シューマン / 交響曲 第3番 変ホ長調 op.97 「ライン」  ほか

    指揮 : パーヴォ・ヤルヴィ
    管弦楽 : NHK交響楽団
    (収録 : 2005.06.11 NHKホール)

  ●詳細 (リンク切れの場合あり)

・ 2008年 11/9(日) 21:00~22:00
 「最近の演奏会から
  ~ イモジェン・クーパー 深遠なるシューマン」

  シューマン / ピアノ協奏曲 イ短調 op.54  ほか

    ピアノ : イモジェン・クーパー
    指揮 : アンドリュー・リットン
    管弦楽 : NHK交響楽団
     (収録 : 2008.10.04 NHKホール)

  ●詳細 (リンク切れの場合あり)

 ■司会 : 池辺晋一郎 (作曲家) 岩槻里子 (アナウンサー)
 ■番組ウェブサイト

フォルテピアノが熱い! (2) 伊藤深雪

 昨日に続いて取り上げるフォルテピアノのコンサート第2弾は伊藤深雪さんのリサイタルです。
 グラーフのレプリカ製作をフランスにオーダーして待つことなんと12年(!)、ようやく完成したフォルテピアノの、そのお披露目コンサートとのことです。

 今回、伊藤さんがオーダーされ、12年も待ったというグラーフのレプリカは現代の名匠クリストファー・クラーク氏の作品とのこと。楽器の製作には時間がかかるものでしょうが、オーダーから完成まで12年も待つとは、やはり何事にも息の長い世界だなと思います。グラーフのピアノが活躍した時代に生まれた作品を集めたプログラムもとても意欲的ですし、響きのよい教会内での演奏会というのも興味深い点です。

2008年 10/10(金) 19:00
霊南坂教会/東京・赤坂

伊藤深雪 フォルテピアノ・リサイタル
~ドイツ・ロマン派のファンタジー~
クリストファー・クラーク製作 コンラート・グラーフ お披露目コンサート

シューベルト / グラーツ・ファンタジー D605A
メンデルスゾーン / ロンド・カプリチオーソ op.14
リスト / 詩的にして宗教的な調べ (1835年初出版)
シューマン /クライスレリアーナ (8つのファンタジー) op.16

【予約・問い合わせ】
想楽舎 03-3530-7280
http://www.sougakusha.com/

●詳細 (リンク切れの場合あり)
●詳細 (PDF表) (リンク切れの場合あり)
●詳細 (PDF裏) (リンク切れの場合あり)

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●追記 (2008.10.11)

(演奏曲目、演奏順)
メンデルスゾーン / ロンド・カプリチオーソ op.14
リスト / 詩的にして宗教的な調べ (1835年初出版)
シューベルト / グラーツ・ファンタジー D605A
シューマン / 冬の季節 I, II (op.68-38, 39)

クララの秋、室内楽コンサート

 さて、この秋の興味深い点はクララの作品が取り上げられる演奏会の予定がいくつか目にとまったこと。ざっと調べてみたら、10月5日(日)に東京で2つ、10月23日(木)に札幌で1つ、10月末~11月にかけて千葉と東京でそれぞれ1回ずつ(これは同一グループによる公演)、クララの作品が取り上げられる演奏会が開かれるという情報を入手しました。

 私や伊藤さんがホームページを作りはじめた頃は、クララの作品をCDで聴くことはなかなか難しく、演奏会でクララ作品に触れる機会はさらに限られていましたから(というか、少なくとも都心のコンサートシーンでは「ほとんど皆無」に近かったと思います…)、こんなに短期間にクララの作品が演奏会で取り上げられるというのは、驚きであると同時にうれしいことです。こうした機運がますます高まっていくことを期待しています。

●10/5(日) 11:00開演
名曲喫茶ミニヨン(東京・荻窪)
「シューマン夫妻の三重奏」

●10/5(日) 15:00開演
東京建物八重洲ホール
池袋ミッテンヴァルト弦楽四重奏団 第4回 演奏会

●10/23(木) 19:00開演
ザ・ルーテルホール(札幌)
「Mayumi Vol.3」
 ※札響コンミス・大平まゆみさんのリサイタル。

●10/31(金) 19:00開演 アミュゼ柏(千葉・柏)
●11/16(日) 14:00開演 音楽の友ホール(東京・神楽坂)
又丸奈緒子、小林倫子&渡辺靖子 ピアノ・トリオ

※詳細は当サイト内「シューマンの演奏会情報」の「クララのカテゴリ」をご覧ください。

※伊藤さんの「A Plaza of Clara Schumann」の掲示板にも情報がたくさんありますのであわせてご覧ください。