「N響アワー」に関連して クララの協奏曲のCD

 先日お伝えしたように、9/10(日)のNHK教育テレビ「N響アワー」にて、シューマン夫妻の特集が放送されました。この番組の中で、6月の定期公演で演奏されたクララのピアノ協奏曲の第3楽章とローベルトの交響曲第1番「春」が紹介されました(Cプロ初日、NHKホール。公演の情報はここ)。

 作曲家の池辺晋一郎さんがピアノを弾きながらわかりやすく作品について解説し、ソリストの伊藤恵さん、指揮者の準・メルクルさんのインタビューが紹介されていた点、楽しく、親しみを持って見ることのできる番組内容でした。「春」は有名な曲ですし、テレビやラジオでも紹介される機会が少なくない作品ですが、めったに演奏される機会のない(従って、知られる機会もないままの)クララのピアノ協奏曲の話題と(一部とはいえ)その実際の鳴り響きが地上波の全国放送のテレビ番組、それもプライムタイムで取り上げられたのは非常に画期的な出来事でした。

 さて、この番組をご覧になって、クララのピアノ協奏曲のCDがほしいと思った方は少なくないのではないかと思いますが、ディスクの入手については案外と難しいかもしれません。ディスクの簡単な一覧表は ここ にありますが、さらに詳しい一覧表は伊藤書記長の "A Plaza of Clara Schumann" にありますので参考にしてみてください。

 一番入手しやすく、しかも安いCDは、比較的最近の発売であるナクソス盤ではないかと思います。ナクソスのシリーズが並んでいるコーナーがあるようなショップの店頭で探してみてください。(ナクソス・ライブラリーで聴くこともできるかもしれませんが、会員になったことがないので、クララの協奏曲も聴くことができるのかはわかりません。)

●アマゾン/日本 (国内盤)
●アマゾン/日本 (輸入盤)
●アマゾン/日本 検索結果を表示
●NAXOS 詳細ページ (英語
 (http://www.naxos.com/)
●NAXOS/日本 詳細ページ
 (http://www.naxos.co.jp/)

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■関連リンク

●クララ・シューマン データ関連もくじ
●クララ・シューマン ピアノ協奏曲一覧
(上記2つのリンクはシューマンおたく学会DB内)

●クララのことなら "A Plaza of Clara Schumann"

N響アワーでシューマン特集

 トップページのニュース速報欄で既にお伝えしているように、9月10日(日)のNHK教育テレビの「N響アワー」でシューマンが特集される予定です。

(「シューマンが」といっても、今回は6月の定期でクララのピアノ協奏曲が取り上げられたこともあって、「N響アワー」でもクララの作品が紹介されますから、「シューマン夫妻が」特集されると言ってもよいでしょう。)

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■放送予定

2006年 9/10(日) 21:00~22:00
NHK教育テレビ 「N響アワー」

「池辺晋一郎の音楽百科」
“シューマン”のロマンを聴く

クララ・シューマン / ピアノ協奏曲 イ短調 op.7 から 第3楽章
シューマン / 交響曲 第1番 変ロ長調 op.38 「春」

(指揮) 準・メルクル
(ピアノ) 伊藤恵
(管弦楽) NHK交響楽団

(収録 : 2006.06.09 NHKホール)

●NHK番組表

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 なお、N響は12月の定期公演でもシューマン没後記念プログラムを予定しています。こちらはオピッツの独奏でシューマン自身のピアノ協奏曲が演奏される予定です。また、6月の定期では交響曲第4番の1841年のヴァージョンが取り上げられましたが、12月の定期では1851年のヴァージョンが取り上げられるようです(?)。指揮はローター・ツァグロゼク。(詳細)

追記
●この記事の続報は下記ページ
http://robert-schumann.com/novelletten/news.php?itemid=135

ノヴェレッテン op.21 のべろく入り抜粋盤と全曲録音 (E・リッチ、N・ロス)

※「シューマンおたく学会データベース」の更新情報です。

【CD】 エリザベス・リッチ (pf.) と ニコラス・ロス (pf.) を設置。貴重なノヴェレッテンの録音。リッチは抜粋盤、なんと「のべろく」こと「第6曲」を抜粋収録(のべろく入り抜粋盤、ほかに見たことありません)。ロスは全曲録音。

シューマン没後150年の命日に(短信/ボンと神戸から)

 シューマンの没後150年の今年、命日の7月29日には記念の公演や催しが各地で開かれました。ここではボンと神戸での追悼イヴェントについて簡単に報告します。

●ボンの記念式典

 ロンドン在住のTAKUさんからの情報です。
 TAKUさんからのメールによれば、ボンでは旧墓地(Alter Friedhof)のシューマン夫妻のお墓の前で命日の午後4時から記念式典が行われました。参列者は50人ほど。30分ほどの式典では、スピーチのほか、男声合唱団によってシューベルトのドイツ・ミサ曲 D872 の第5曲 "Zum Sanctus" がシューマン夫妻の墓前に捧げられたとのことです。
 TAKUさんは行かれなかったそうですが、この日、ボンに近いエンデニヒのロベルト・シューマン・ハウス(Robert Schumann Haus)(シューマン最期の地)でも、150年を記念して建立されたシューマン像の除幕式があったそうです。


写真:2006年7月29日 ボンの旧墓地での記念式典(TAKUさん提供)

●神戸

 同じく7月29日の夜、神戸では神戸新聞松方ホール主催による「シューマン・プロジェクト」として、CD「シューマニアーナ」シリーズでおなじみのピアニスト伊藤恵さんの3回連続リサイタルの最終回が開催されました。大勢のシューマン・ファンが集い、伊藤さんの演奏でシューマンを偲びました。
(良いリサイタルでした。)

 (プログラム)
   蝶々 op.2
   ダヴィッド同盟舞曲集 op.6
   幻想曲 ハ長調 op.17

 (アンコール)
   幻想小曲集 op.12 より ~ 第1曲「夕べに」


写真:松方ホール前の立て看板(ととろお撮影)

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※上記の2つのレポートは短信です。長い版は後日、「没後記念特集」としてまとめる予定です。

※みなさんへのお願い
今年、どこでどのような記念の企画があったのか、情報を集約して残しておきたいと考えています。 情報をお持ちの方は、ぜひ 「没後記念特集」 から情報をお寄せください。 詳細は このページ をご覧ください。 どうぞよろしくお願いいたします。

※メールで送っていただいた情報と写真を、このニュースと特集ページに活用することを許可してくださったTAKUさんに深く感謝いたします。

(2006.12.27 追記)
TAKUさんからのレポートをこちらにまとめました。

ニコライ・デミジェンコ

※「シューマンおたく学会データベース」の更新情報です。

【CD】ニコライ・デミジェンコ (pf.) を設置。 ソナタ第1番 op.11、ソナタ第3番 op.14の全曲とライヴ録音からの「クララ・ヴィークの主題による変奏曲」の抜粋、フモレスケ op.20、ノヴェレッテン op.21(全曲)。

 いずれも、とてもすばらしい演奏。「のべろく」ことノヴェレッテンの第6曲は超個性的だが、考え抜かれた構成と完全なコントロールによって、陰影の深く、あの短い曲がここまで詩的なドラマを孕んだものとして響くのかと驚きました。