神戸新聞松方ホール ロベルト・シューマン没後150年記念プロジェクト

 「ピックアップ@演奏会」で何度か言及した神戸新聞松方ホールのシューマン没後150年記念のプロジェクトの情報です。出演者といい曲目といい、誕生日と命日に公演が予定されている点といい、よく考えられた企画だと思います。

 伊藤恵さんによるピアノ作品のリサイタルが3回(最終回は命日)、ロータス・カルテットによる弦楽四重奏曲全曲演奏会(誕生日)、漆原朝子さんと迫昭嘉さんのコンビによるヴァイオリン・ソナタ全曲演奏会、秋には湯浅卓雄さんの指揮による大阪センチュリー交響楽団の「交響曲全曲&主要管弦楽曲・協奏曲チクルス」。チクルスのソリストは漆原朝子さんとイッサーリス。すばらしい人選ですし、実にすばらしい選曲です。以上の公演のうち、ロータス・カルテットと漆原&迫組については東京での公演も予定されているようです。

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■伊藤恵 シューマンの夕べ
 (3回にわたる連続リサイタル)

[第1夜」 3/25(土) 18:00開演

 アベッグ変奏曲 op.1
 ピアノ・ソナタ 第3番 へ短調 op.14
 交響的練習曲 op.13

[第2夜] 5/27(土) 18:00開演

 子供の情景 op.15
 クライスレリアーナ op.16
 フモレスケ op.20

[第3夜] 7/29(土) 18:00開演 (命日)

 蝶々 op.2
 ダヴィット同盟舞曲集 op.6
 幻想曲 ハ長調 op.17

東京藝大 シューマン・プロジェクト(第1報)

プロコフィエフ、ドヴォルジャーク、ラヴェルの次のプロジェクトはシューマンだそうです。

ぴあには発売情報が出ていますが、奏楽堂の予定表にはまだ詳細が入っていませんので(公演日程だけは出ましたが)、詳細がわかり次第、お知らせしたいと思います。

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以下、追記
*ざっと集めてみた予定の一覧ですが、これらは確実なものではないので、何らかの行動を起こす人は、必ず自分で再確認してください。

「シューマン・プロジェクト」
レクチャー&コンサート

5/20(土) 第1回

5/27(土) 第2回

6/10(土) 第3回

6/17(土) 第4回

6/23(金) 第5回
 (藝大フィルハーモニア定期第319回)

6/24(土) 第6回
 (上野の森オルガンシリーズ)

6/27(火) 第7回
 (うたシリーズ VI-1)

11/17(金) 
 (藝大フィルハーモニア・合唱定期第321回)

●奏楽堂
http://www.geidai.ac.jp/sougakudou/

●ぴあ
http://t.pia.co.jp/classic.html

公演のまとめはここ

「音楽現代」 2006年3月号 特集・没後150年記念

「音楽現代」(現代芸術社)
2006年3月号 (第36巻第3号)

特集・没後150年記念
ロマン派の華 ロベルト・シューマン (pp.81-106)

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茂木一衞 「作曲と批評 音楽と文学 理想と資質」(pp.82-84)
 ディレンマの芸術家シューマン

西原稔 「シューマンとドイツ・ロマン主義」(pp.85-87)
 シューマンの音楽史上の役割は何だったのか?

青澤唯夫 「思索する音楽家シューマンの魅力」(pp.88-90)
 ロマン的情感にみちた独創的な世界を描き出す

菅野泰彦 「波乱に満ちたシューマンの生涯」(pp.91-93)
 悲劇的週末を迎えるまでの46年

萩谷由喜子 「ロベルトとクララ」(pp.94-95)
 愛と嫉妬の複雑な絡み合い

佐藤立樹 「シューマンの余技」(pp.96-97)
 批評活動は生涯をかけた大事業だった

N響「フィルハーモニー」 2006年1月号 関根裕子 「クララとヨハネス晩年の友情」

NHK交響楽団
機関誌「フィルハーモニー」 2006年1月号
(第78巻第2号)

短期連載 新ブラームス像を求めて 最終回
関根裕子「クララとヨハネス晩年の友情」
(pp.49-52)

※4頁の短い小論ですが、晩年のクララの「老い」を視点に据えた興味深い内容です。

NHK交響楽団
http://www.nhkso.or.jp/