3つの室内楽公演 小山実稚恵、伊藤恵、若い音楽家ら JTアートホール

 都心の室内楽専用ホールとして高い人気を集めている JTアートホール アフィニスで、この5月~7月の3か月の間、立て続けにシューマンの室内楽公演が3つほど開催されるようです。

 小山実稚恵さんをゲストに迎えた「アフィニス・アンサンブル・セレクション」の100回記念特別演奏会はヴァイオリンの四方恭子さんやチェロの山崎伸子さんら、定評のある名手の揃った公演。

 また、JTのロングセラー@名物企画、「JTアートホール室内楽シリーズ」の第281回公演は、久々のオール・シューマン。今回のオール・シューマンでは伊藤恵さんが服部譲二さん、渡邉信一郎さん、横坂源君らの若手の弦楽奏者と共演。

 若手といえば、「JTが育てるアンサンブルシリーズ」でも東京藝大大学院系の若い音楽家たちがシューマンの室内楽を演奏予定。

 以上の3つ、いずれも興味を引く出演者と内容ですので、一括してここでご紹介します。

→ JTアートホール アフィニス

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アフィニス・アンサンブル・セレクション
 100回記念特別演奏会「四方恭子と仲間たち」

 2006年 5/12(金) 19:00開演
 JTアートホール アフィニス

13年ぶりに日本でのリサイタル コチシュ シューマンを弾く

 久しぶりにコチシュの名前を見たと思ったら、なんと13年ぶりの日本でのリサイタル開催だそうです。今回の来日ツアーでは小林研一郎指揮のハンガリー国立フィルハーモニー管弦楽団とラフマニノフのピアノ協奏曲第2番を、別の公演では同じオーケストラとベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番を弾き振りで(!)演奏予定だそうです。

(ハンガリー国立フィル公演の詳細については招聘元のページをご覧ください)

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ゾルタン・コチシュ ピアノ・リサイタル

■2006年 6/28(水) 19:00開演
 東京オペラシティ コンサートホール

■2006年 6/30(金) 19:00開演
 フィリアホール/横浜・青葉台

いよいよ大団円 8年連続演奏会 伊藤恵 春をはこぶコンサート Vol.8

 1999年の春からはじまった8年連続の公演、「伊藤恵 ピアノ・リサイタル 春をはこぶコンサート」が今年いよいよ最終回を迎えます。ショパン、プーランク、シューマン(クライスレリアーナ)ではじまったこのシリーズですが、最終回は伊藤さんの中では特に強い思い入れのあるモーツァルト、もちろんシューマン、そして最近になって封印をといたというシューベルトのソナタ(それも今回は遺作のD959…)で閉じられます。こういうプログラムはシューマン本人が生きていたら、大喜びしたかもしれません。

 毎年続いていたものが、これがいよいよ最終回というのは、めでたいことなのか、さみしいことなのか、そのないまぜなのか。なんとも言えません。毎年のすべての回を聴いてきたわけではないとしても、長らく続けて聴いてきただけに、個人的にも感慨深いものがあります。

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春をはこぶコンサート Vol.8
伊藤恵 ピアノ・リサイタル

2006年 4/30(日) 14:00開演 紀尾井ホール

 モーツァルト / ソナタ ニ長調 K.311
 シューマン / ソナタ 第3番 へ短調 op.14
 シューベルト / ソナタ 第20番 イ長調 D959

【予約・問い合わせ】
カジモト・イープラス 03-5572-4945
http://www.kajimotomusic.com/

詳細
http://kei-itoh.com/concert/20060430kioi.html

ホール
http://www.kioi-hall.or.jp/

神戸新聞松方ホール ロベルト・シューマン没後150年記念プロジェクト

 「ピックアップ@演奏会」で何度か言及した神戸新聞松方ホールのシューマン没後150年記念のプロジェクトの情報です。出演者といい曲目といい、誕生日と命日に公演が予定されている点といい、よく考えられた企画だと思います。

 伊藤恵さんによるピアノ作品のリサイタルが3回(最終回は命日)、ロータス・カルテットによる弦楽四重奏曲全曲演奏会(誕生日)、漆原朝子さんと迫昭嘉さんのコンビによるヴァイオリン・ソナタ全曲演奏会、秋には湯浅卓雄さんの指揮による大阪センチュリー交響楽団の「交響曲全曲&主要管弦楽曲・協奏曲チクルス」。チクルスのソリストは漆原朝子さんとイッサーリス。すばらしい人選ですし、実にすばらしい選曲です。以上の公演のうち、ロータス・カルテットと漆原&迫組については東京での公演も予定されているようです。

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■伊藤恵 シューマンの夕べ
 (3回にわたる連続リサイタル)

[第1夜」 3/25(土) 18:00開演

 アベッグ変奏曲 op.1
 ピアノ・ソナタ 第3番 へ短調 op.14
 交響的練習曲 op.13

[第2夜] 5/27(土) 18:00開演

 子供の情景 op.15
 クライスレリアーナ op.16
 フモレスケ op.20

[第3夜] 7/29(土) 18:00開演 (命日)

 蝶々 op.2
 ダヴィット同盟舞曲集 op.6
 幻想曲 ハ長調 op.17

鈴木竜哉指揮 オストメール・フィルハーモニカー
マーラー版の2番を演奏予定(名古屋/しらかわホール)

 公演日まで間がない情報で申し訳ありませんが、見つけてしまったら、どうしてもここに書かずにはいられなくなったので、みなさんにもお知らせしたいと思います。

 東海中学・高校オーケストラ部のOBを中心としたメンバーによって構成されているアマチュア・オーケストラの「オストメール・フィルハーモニカー」がシューマン記念年の年初からとても意欲的な公演を行うようです。ゲスト・ソリストに日英2カ国を本拠に活躍されている小川典子さんを迎え、ブラームスのピアノ協奏曲第1番と、なんとシューマンの交響曲第2番のマーラー版を演奏予定とのこと。このような2つの重量級の大曲に挑むことができるのは上手なオーケストラだからできることでしょう。アマオケならではの熱演が好きな人は多いでしょうが、実は私もアマオケの情熱あふれる公演を聴くのが大好です^^。けれど、残念ながら、この日は名古屋まで出かけられませんので私はこの公演を聴くことはできないと思いますが、あのマーラ版の2番を取り上げるという視点のユニークさとチャレンジ精神、そして人気ソリストとの共演という豪華さから、ここにご紹介させていただきました。なお、オストメール・フィルハーモニカーのウェブサイトによると、当日のプログラムにはこの公演の指揮者・鈴木竜哉さんによるマーラー版の詳細な論考が掲載されるようです。

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2006年 1/7(土) 18:30開演
しらかわホール(名古屋)

オストメール・フィルハーモニカー 第4回演奏会
(指揮) 鈴木竜哉
(ピアノ) 小川典子

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ブラームス / ピアノ協奏曲 第1番 ニ短調 op.15
シューマン / 交響曲 第2番 ハ長調 op.61 (マーラー編曲版) ほか

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【問い合わせ】
オストメール・フィルハーモニカー
http://www.ostmeerphilharmoniker.com/