内田光子 インタビュー 産経:話の肖像画(2015年10/5~10/9)
追記:内田光子さんに高松宮殿下記念世界文化賞のメダル授与(2015年11/4)

内田さんが受賞された第27回高松宮殿下記念世界文化賞の関係で、産経にインタビュー記事が5回にわたって掲載されました。いずれの回も短くまとめられていますが、とても興味深い内容です。特にシューベルトについて内田さんが語った「だんだん消えてゆく魂」という言葉に深く感動しました。

【産経】話の肖像画:ピアニスト 内田光子 (聞き手 古野英明)
2015年 10/5(月)~10/9(金)

(1)16歳でウィーンにとどまる選択

「ウィーンで接した音楽はこれまで聞いたことのないすばらしさで、発見の連続だった。それを失いたくない」

(2)“名もなき国”イギリスへ

※ウィーンからイギリスへ行った理由。

(3)シューベルトの孤独感に惹かれ

「そう、私は常にシューベルトを愛してきました。子供のころからシューベルトに惹かれていたのです。どこに惹かれたかというと、彼の孤独感です」

シューベルトの孤独のイメージは『だんだん消えてゆく魂』

(4)苦しいながらも楽しい弾き振り

※弾き振りについて。「魅力的な音楽家」と共演することについて。

「魅力的な音楽家と仕事するとき」「相手に触発されることで深く自分を見つめ、アイデアが浮かぶこともある。それを言葉にして伝える、あるいは実際に音楽で示すことができたときの喜びといったら…。まさに至福の瞬間」

(5)日本の“湿った静寂”が好き

日本国籍を捨てた理由「日本政府が二重国籍を認めなかったから」(日本のパスポートを持つ)「ピアニストが欧州で仕事をする場合」「信じられないほど手続きが面倒」

「そういう経緯で、イギリスを終の棲家と決めたわけですが、これはあくまでも『紙の上』のこと。日本のパスポートを持たないからといって日本人でなくなるわけではありません」

「16歳のとき、初めて訪れた京都で」「『日本の美』を知りました」(苔寺?)「そこには“湿った静寂”がありました」「私は今でもこの“湿った静寂”というのが好き」「日本は私にとって重要」「日本人として生まれたことに感謝」

※ツイッターで紹介したものをまとめた投稿です。


(2015.11.05 追記)
10月21日に行われた第27回高松宮殿下記念世界文化賞の授賞式を健康上の理由で欠席した内田さんに対し、11月4日サントリーホール・ブルーローズで行われた講演会の後で日本美術協会よりメダルが授与されたそうです。

メダル授与の様子についてはFNN系列の夜のテレビニュースでも伝えられたようで、FNNのニュースサイトに動画がアップされています。
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00307552.html

講演会についてはツイッターでレポートしてくださっている方たちがいますので、そちらをご覧ください。
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私は抽選にはずれましたね…(´-`)