ロベルト&クララ・シューマン 伊藤恵さんのリサイタルと協奏曲(2015年)

CD「シューマニアーナ」シリーズ(シューマンのピアノ独奏曲全曲録音)のピアニスト・伊藤恵さんが来年1月にトッパンホールのリサイタルでシューマン夫妻の作品を取り上げる予定です。さらに2月には仙台フィルの定期演奏会(広上淳一指揮)でクララ・シューマンのピアノ協奏曲を2日続けて演奏予定です。

トッパンホールのリサイタルではロベルトとクララの作品を交互に演奏されるようですが、ここで取り上げられるロベルトは クライスレリアーナ op.16 と幻想曲 op.17 です。クライスレリアーナといえば「シューマニアーナ」第1巻の最初に収録されている曲ですね。ここからあのシューマンの全曲録音がはじまった・・・。そして幻想曲。昨日この欄に書きましたように、ポゴレリッチ、アンデルシェフスキも日本公演でこの曲を取り上げる予定ということですので、幻想曲尽くしの贅沢三昧(?)に浸れそうです^^

クララ・シューマンのピアノ協奏曲ですが、伊藤さんはこの協奏曲をシューマン没後150年記念年(2006年)のN響定期のシューマン・プログラムで演奏(6/9・6/10、準・メルクル指揮、NHKホール)。その後、2011年のLFJでも演奏されました(5/3、ジョシュア・タン指揮、桐朋学園オーケストラ、東京国際フォーラム)。この協奏曲はロベルトの有名なピアノ協奏曲ほどには演奏される機会がありませんが、それでも以前と比べれば取り上げられることが増えてきているように思います。

以下にトッパンホールでの伊藤さんのシューマン夫妻プログラムのリサイタルと仙台フィルの演奏会をご紹介しておきます。

ちなみに、トッパンの方の会員先行発売の開始日(9月13日)はクララ・シューマンの生誕記念日でしたね^^


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2015年 1/24(土) 15:00 トッパンホール(東京)
〈おとなの直球勝負 14〉 伊藤 恵(ピアノ)
クララ・シューマン / ロベルト・シューマンの主題による変奏曲 op.20
ロベルト・シューマン / クライスレリアーナ op.16
クララ・シューマン / 4つの束の間の小品 op.15
ロベルト・シューマン / 幻想曲 ハ長調 op.17
http://www.toppanhall.com/concert/...

2015年 2/20(金) 19:00 | 2/21(土) 15:00
日立システムズホール仙台・コンサートホール(青年文化センター)
仙台フィルハーモニー管弦楽団 第289回定期演奏会
(指揮)広上淳一
(ピアノ)伊藤恵
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シューマン / 「マンフレッド」序曲 op.115
クララ・シューマン / ピアノ協奏曲 イ短調 op.7
ブラームス / 交響曲 第1番 ハ短調 op.68
http://www.sendaiphil.jp/concerts/...

伊藤恵 ウェブサイト
トッパンホール ウェブサイト
仙台フィルハーモニー管弦楽団 ウェブサイト

クライスレリアーナ op.16 と 幻想曲 op.17 を収録した「シューマニアーナ」(フォンテック)

シューマン夫妻を取り上げた映画(古い映画ですが名画です)

(2014.10.19 追記)
伊藤恵さんとエール弦楽四重奏団が共演したシューマンの室内楽がNHK「クラシック倶楽部」で再放送されます。

2014年 10/28(火) 06:00~06:55
NHK-BSプレミアム 「クラシック倶楽部」
「伊藤恵&ヤング・ミュージシャンズ」

シューマン / 幻想小曲集 op.88
 伊藤恵(ピアノ)、山根一仁(ヴァイオリン)、上野通明(チェロ)

シューマン / ピアノ五重奏曲 変ホ長調 op.44
 伊藤恵(ピアノ)
 エール弦楽四重奏団
 (山根一仁、毛利文香 vln./田原綾子 vla./上野通明 vlc.)

http://www.nhk.or.jp/classic/club/

※収録: 2014年 3/14 NHKスタジオ
※初回放送: 2014年 3/28(金)

ポゴレリッチとアンデルシェフスキ 日本でのリサイタルでシューマンの 幻想曲 op.17 (予定)

あのポゴレリッチと(いろんな思いをこめて「あの」とつけました…)アンデルシェフスキが日本でのリサイタルでどちらもシューマンの 幻想曲 op.17 を弾く予定だそうです。まったく違うアプローチでのシューマンなのだろうなという予想はできても、まずポゴレリッチがどう弾くかが皆目予想できませんので(いやほんとに…)、これは聴いてみるまでわかりませんねえ。

(ちなみにポゴレリッチ、昨年聴いた2公演でのテンポは以前のような異様に遅いものではありませんでした。初日の横浜では客席で聴きながら、「あれ?割と普通のテンポで弾いてる?」と驚いたほどでした。)

アンデルシェフスキですが、東京公演のプログラムのシューマンは幻想曲の1曲のみですが、横浜公演では ノヴェレッテン op.21 の第8曲も演奏予定とのことです。

この2人、最近、欧州の演奏会ではシューマンのピアノ協奏曲を弾いた/弾く予定となっています。レパートリーがちょくちょくかぶる…というわけでもない人たちだと思っていますが、おもしろい偶然ですね^^

イーヴォ・ポゴレリッチ ウェブサイト
ピョートル・アンデルシェフスキ ウェブサイト

2014年 12/14(日) 19:00 サントリーホール
イーヴォ・ポゴレリッチ ピアノ・リサイタル
リスト / 巡礼の年第2年「イタリア」から
     ダンテを読んで(ソナタ風幻想曲)
シューマン / 幻想曲 ハ長調 op.17
ストラヴィンスキー / 「ペトルーシュカ」からの3楽章
ブラームス / パガニーニの主題による変奏曲 op.35
http://www.kajimotomusic.com/jp/concert/k=440/

2015年 2/25(水) 19:00 東京オペラシティ コンサートホール
ピョートル・アンデルシェフスキ ピアノ・リサイタル
バッハ / イギリス組曲 第1番 イ長調 BWV 806
バッハ / フランス風序曲 ロ短調 BWV 831
ヤナーチェク / 草陰の小径にて 第2集
シューマン / 幻想曲 ハ長調 op.17
http://www.kajimotomusic.com/jp/concert/k=439/

※アンデルシェフスキのオペラシティ公演の曲目が変更されました。

J.S.バッハ / フランス風序曲 ロ短調 BWV831
J.S.バッハ / イギリス組曲 第3番 ト短調 BWV808
シューマン / 精霊の主題による変奏曲
シューマン / 幻想曲 ハ長調 op.17

2015年 2/27(金) 19:00 フィリアホール(横浜)
JUST ONE WORLDシリーズ 第14回
ピョートル・アンデルシェフスキ ピアノ
バッハ / イギリス組曲 第3番 ト短調 BWV 808
バッハ / フランス風序曲 ロ短調 BWV 831
シューマン / 8つのノヴェレッテ op.21 から 第8番 嬰ヘ短調
シューマン / 幻想曲 ハ長調 op.17
http://www.philiahall.com/html/series/150227.html

(追記 2015.03.02)
アンデルシェフスキのフィリアホール公演は前日になって曲順が変更され、以下のように演奏されました。

バッハ / フランス風序曲 ロ短調 BWV 831
シューマン / 8つのノヴェレッテ op.21 より 第8番 嬰ヘ短調
---
シューマン / 幻想曲 ハ長調 op.17
バッハ / イギリス組曲 第3番 ト短調 BWV 808

前半と後半ではピアノを入れ替え、アンコール前に「こっちのピアノの方が快適(comfortable)」だからと言って、前半に演奏したノヴェレッテ(ン)の第8曲を演奏してくれました。すばらしかったですよ!

(アンコール)
シューマン / 8つのノヴェレッテ op.21 より 第8番 嬰ヘ短調
ベートーヴェン / 6つのバガテル op.126-1

検索用キーワード: ポゴレリチ ノヴェレッテン のべはち 天使

内田光子さんの5時間連続インタビュー収録 『モーツァルト 伝説の録音』(飛鳥新社 創立35周年記念出版)

飛鳥新社が創立35周年を記念してCD36枚と書籍3巻から成る大部の『モーツァルト 伝説の録音』を刊行するそうです。特設ウェブサイトや無料カタログで紹介されているCDと書籍の収録内容がすばらしく、歴史的録音のコレクターもモーツァルト・ファンも「これはほしい」と唸りながら一斉に財布と相談をはじめそうな逸品(の予感)。(だって高い!!!)

編者はフィリプスのオランダ本社副社長ほか、複数のレコード会社で活躍された後、SPレコードからのCD復刻などを専門になさっている新忠篤氏と、小学館『モーツァルト全集』『バッハ全集』『武満徹全集』『林光の音楽』などのCD付き音楽全集の企画と編集をされてこられた大原哲夫氏。

書籍にはSP盤の詳しいデータ、豊富な写真と詳しい演奏家紹介、谷川俊太郎さんの書き下ろしの詩などが掲載されるほか、ロンドンのホテルで今年1月6日に行われた内田光子さんの5時間連続インタビュー(!)が第1巻と第2巻に掲載予定とのこと。

飛鳥新社に申し込めば、44ページオールカラーの豪華なカタログを無料で送っていただけます。内田さんのインタビューの抜粋が見開き2ページにわたって掲載されており、その抜粋だけでもとても興味深い内容です。

飛鳥新社 創立35周年記念出版
『モーツァルト 伝説の録音』
(CD36枚+書籍3巻 新忠篤・大原哲夫 編)

刊行予定
第1回配本 (2014年11月刊行予定)
第1巻 名ヴァイオリニストと弦楽四重奏団

第2回配本 (2015年5月刊行予定)
第2巻 名ピアニストたち

第3回配本 (2015年11月刊行予定)
第3巻 名指揮者と器楽奏者・歌手

※全巻予約者特典:世界初録音盤モーツァルト(初CD化)
(1931年ザルツブルク大聖堂 ヨーゼフ・メスナー指揮 ザルツブルク大聖堂合唱団・管弦楽団ほか)
(2014年12月末まで)

※価格は飛鳥新社のサイトで見てください。

「本全集にはピアニスト内田光子さんの全面的な協力を得ました。」とのことで、内田さんの次の言葉が掲げられています。

「この全集には本当に意味のある演奏が入っています。これは、針音の向こうに隠された人類の文化遺産なのです」(内田光子)

飛鳥新社
飛鳥新社「モーツァルト 伝説の録音」特設サイト
大原哲夫編集室

※飛鳥新社の特設ウェブサイトに収録曲の一覧が掲載されています。(一部試聴可)

※大原氏のサイトには表参道ヒルズで開催されている 『モーツァルト・伝説の録音』を聴く会 の予定なども掲載されています。

春秋社より『クララ・シューマン』(M.シュテークマン著/玉川裕子訳)刊行

春秋社よりクララ・シューマンの評伝の日本語訳が刊行されます。

(版元ドットコム(近刊検索)やアマゾンなどでは9月18日発売予定となっていますが、出版社のサイトでは「発行日:2014年9月」「未刊」となっています。)

『クララ・シューマン』
M.シュテークマン著
玉川裕子訳

春秋社の詳細ページ

(追記 2014.09.19)

『クララ・シューマン全集2』(ピアノ独奏用、春秋社)

3月にご紹介した春秋社の『クララ・シューマン全集1』(シリーズ 世界音楽全集 ピアノ篇 新校訂版)の第2巻が刊行されていましたのでご紹介しておきます。

シリーズ 世界音楽全集 ピアノ篇 新校訂版
『クララ・シューマン全集2』
川嶋ひろ子 編集・校訂・運指
発行日:2014年6月
春秋社

(収録曲)
ピアノ・ソナタ ト短調
スケルツォ 第2番 Op.14
4つの束の間の小品 Op.15
即興曲
J.S.バッハの主題による3つのフーガ
3つのプレリュードとフーガ Op.16
プレリュードとフーガ 嬰ヘ短調
ロベルト・シューマンの主題による変奏曲 Op.20
3つのロマンス Op.21
ロマンス イ短調
ロマンス ロ短調
行進曲
前奏曲集

春秋社の詳細ページ