今日は朝からツイッターでクララ関係の話題が次々と^^
夜になったらこのニュース欄も更新したいと思いますが(深夜になるかもしれませんが)、とりあえず速報的なものはツイッターのログでご覧ください。
→ こちら
大きな話題としては
・ 世界のGoogleのトップページがクララ生誕記念版に!
・ 長らく入夫困難本だった『クララ・シューマン ヨハネス・ブラームス 友情の書簡』がみすず書房から復刊される予定!
などなどです。
今日は朝からツイッターでクララ関係の話題が次々と^^
夜になったらこのニュース欄も更新したいと思いますが(深夜になるかもしれませんが)、とりあえず速報的なものはツイッターのログでご覧ください。
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大きな話題としては
・ 世界のGoogleのトップページがクララ生誕記念版に!
・ 長らく入夫困難本だった『クララ・シューマン ヨハネス・ブラームス 友情の書簡』がみすず書房から復刊される予定!
などなどです。
ツイッターで以前から話題になっていたので既にご存知の方も多いかと思いますが、高性能スキャナ&インクジェットプリンタを用いた精密なデジタル複製画を販売していらっしゃるBibliopoly(ビブリオポリ)さんにて、シューマンの肖像画とシューマン夫妻の自筆譜が販売されています。シューマン夫妻以外の作曲家の肖像画や自筆譜も多数紹介されています。ラインナップは頻繁に更新されていますので、時々、アクセスしてご覧になると楽しいでしょう^^
現在、掲載されているのは以下の作品の自筆譜です。
●ロベルト・シューマン
「7つの歌」 (Sieben Lieder) op.104 より
[テキスト/エリザベート・クールマン Elisabeth Kulmann (1808-1825)]
第2曲 "Viel Glück zur Reise, Schwalben!"
※檜山哲彦さんの訳では「元気な旅を!つばめさん」
→ YouTubeで試聴(リンク切れの場合があります)[リンク切れ]
第3曲 "Du nennst mich armes Mädchen"
※同じく檜山さんの訳では「貧乏な娘(こ)と呼びますが」
→ YouTubeで試聴(リンク切れの場合があります)[リンク切れ]
(試聴用のリンクをクリックするとユリアーネ・バンゼの同じファイルの各曲の該当箇所が開きますが、YouTubeですのでリンク切れの場合もあります。)
※動画が削除されていましたのでリンクを削除しました。(2016.10.30)
●クララ・シューマン
モーツァルト / ピアノ協奏曲 第20番 ニ短調 K.466 にクララが作曲したカデンツァ(第1楽章、第3楽章)のうち、第1楽章のカデンツァ。
※IMSLPの同じページからブラームスによるカデンツァ(自筆譜含む)もダウンロードできます。また、ブラームスのカデンツァの自筆譜はBibliopolyさんのウェブサイトでも紹介されています。
なお、クララのこのカデンツァは1891年頃に出版されたとのことですが(*1)、その出版準備中、クララは「ずっと自分の作として弾いてきた」(*2)このモーツァルトK.466へのカデンツァがブラームスに由来していることに気がつき、「突然罪の意識にとらわれた」(*3)とのこと。このまま出版したものか否かをブラームスに手紙で相談したところ、ブラームスはクララにすばらしい返信を書きました。曰く、自分の最良の旋律はクララに由来している、自分ひとりだったら美しいものは思いつかないのだから、自分はクララに感謝しなければいけない…と。(*4)
(註)
*1)…ナンシー・B・ライク『クララ・シューマン 女の愛と芸術の生涯』(高野茂訳、音楽之友社、S62)、巻末作品目録。
*2)…同 p.390。
*3)…同 p.390。
*4)…同 p.391。
このK.466へのブラームスのカデンツァ(第1楽章)とクララのカデンツァ(第3楽章)を聴くことができるおもしろいCDがあります。
ミヒャエル・リッシェ Michael Rische (ピアノ)
ハワード・グリフィス Howard Griffiths (指揮)
ケルンWDR交響楽団 WDR Sinfonieorchester Köln
Profil [PH09006] (2008年録音)
コンチェルト自体はソリストのリッシェのカデンツァを用いて録音されていますが、これとは別にブゾーニ、ブラームス、フンメル、ベートーヴェン、クララ・シューマン、フランツ・クサーヴァー・モーツァルトの各カデンツァがひとまとめに続けて収録されています。
タワーレコード
HMV
NML
Spotify
iTuens Store
●補足 (2012.08.18)
K.466 のクララとブラームスの自筆譜は現在、米国国会図書館に収蔵されており、概要についてはウェブサイトで確認することができます。ナンシー・B・ライクによれば、ブラームスの自筆譜にはクララが「自分で使用した楽句を確認するために書いたメモ」(*)も含まれているのとこと。
(*)…前掲書 p.404 の註8。
以下に関連リンクを掲載します。
・ 米国国会図書館 Library of Congress Home
・ 米国国会図書館 Performing Arts Encyclopedia
・ クララ・シューマンによるモーツァルト K.466 へのカデンツァ (浄書、草稿)
・ ブラームスによるカデンツァ集 (BWV 1052, K.491, K.453, K.466)
なお、クララはこのモーツァルトのK.466へのカデンツァのほか、ベートーヴェンのピアノ協奏曲 第3番 ハ短調 op.37、第4番 ト長調 op.58 のためにもカデンツァを遺しています。手元の資料では自筆譜の所在は不明とされていますが、過去に出版されたこともあり、このうち第3番についてはクララの孫弟子にあたるソロモンのCDで聴くことができます。(メンゲス指揮フィルハーモニア管弦楽団 1956年録音、EMI など) 楽譜はIMSLPからダウンロードすることもできます。
・ IMSLP - ベートーヴェン / ピアノ協奏曲 (クララ・シューマンによるカデンツァ)
- 第3番 ハ短調 op.37
- 第4番 ト長調 op.58
最後にクララ自身の協奏曲の関連リンクもご紹介。
・ IMSLP - ピアノ協奏曲 イ短調 op.7
・ IMSLP - ピアノ協奏曲のための断章 ヘ短調 (1847)
・ ルーシー・パールハム(ピアノ)
バリー・ワーズワース指揮 BBC Concert Orchestra
・ ナクソス盤
・ 室内楽版(ピリオド楽器)
シューマンの放送関連の情報の集約ページ、最近はツイッターで放送予定の情報を流した後、放送が終わってからまとめておく「記録ページ」と化していましたが、久しぶりに放送前の放送予定をざっくりまとめて掲載しました。
昨年都内で行われた演奏会のライヴ録音のFMでの再放送が中心ですが、フィリシティ・ロット(ピアノ:グレアム・ジョンソン)、クリストフ・プレガルディエン(ピアノ:アンドレアス・シュタイアー)、ニコライ・デミジェンコのリサイタルなど、よいコンサートが揃っています。もちろん今年6月に行われたN響定期のオール・シューマンのテレビでの放送も!^^
※トッパンでのシュタイアーのリサイタルの方も収録してほしかった。
以下、NHKの番組表へのリンク。
(放送終了後しばらくしたらリンクが切れますのでご注意ください)
・ 8/14(火) フェリシティ・ロット(ピアノ:グレアム・ジョンソン)
・ 8/15(水) ニコライ・デミジェンコ
・ 8/16(木) クリストフ・プレガルディエン(ピアノ:アンドレアス・シュタイアー)
・ 8/17(金) チャイコフスキー国際コンクール 優勝者ガラ・コンサート
・ 8/19(日) N響オール・シューマン
「スクエアピアノ」についてちょっと調べていたら、ピアニスト・作曲家の伊藤エイミーまどかさんのウェブサイトの中に、スクエアピアノを用いたロベルト&クララのシューマン夫妻の作品が聴けるページを見つけました。(ショパンも聴けます)
ロベルト・シューマン / 子供の情景 op.15 より 第1曲、第3曲、第7曲
クララ・シューマン / 3つのロマンス op.11
ショパン / エチュード op.10 より 「革命」
→ ここから!
いささか古い話で恐縮ですが、どこかに記録として残しておきたいので、ここに簡単な記録を。
5月の読響定期(5/15 下野竜也指揮)、6月のN響定期(6/20, 6/21、Bプロ、アシュケナージ指揮)と2か月続けてサントリーホールでシューマンのヴァイオリン協奏曲が取り上げられ、「もうこんなことは私が生きている間にはないかも?」と思いつつ聴きに出かけました。(ヴァイオリン独奏はそれぞれ三浦文彰、アナ・チュマチェンコ。若手と大家の対比ができたのもおもしろかった。)
読響のプログラムはオール・シューマンのようでオール・シューマンではない、ちょっと変わったプログラムでした。(N響の方は純然たるオール・シューマン・プログラム) 下野さんがこの読響定期で1曲目に取り上げたのはベルリン生まれの作曲家アリベルト・ライマン (Aribert Reimann, 1936- ) による「管弦楽のための7つの断章 -ロベルト・シューマンを追悼して-」という14~15分くらいの短い作品。これが日本初演でした。
開演前に下野さん自身によるプレトークがあり、ライマンのこの曲について簡単な解説がありました。この曲は、シューマンの、いわゆる「天使の主題による変奏曲」へのオマージュであるとの紹介と共に、ピアノ演奏による「天使の主題による変奏曲」の一部が録音で紹介されました。
※この「天使の主題による変奏曲」とよく似た旋律がヴァイオリン協奏曲の第2楽章にも使われています。
ライマンの作品を聴いた私の感想なのですが、一言で言ってしまえば「恐ろしい曲だった」ということに尽きます。断片的に演奏される美しく静かな「天使の主題」と、混沌かつ騒然とした不協和音の大音響の対比はまるでシューマンが晩年に苦しめられていた「あの耳鳴り」を思わせたからです。フルオーケストラによるけたたましい「耳鳴り」の響きの中で天使の歌が清らかに歌われている…それはまるでシューマンがライン河に飛び込む直前に聴いていたかもしれない幻聴のようでした。このライマンの後で演奏されたヴァイオリン協奏曲、その第2楽章の美しかったこと。(いや、これもある意味では「恐ろしい曲」と言ってもよいのかもしれませんが…)
定期演奏会の曲目解説などを掲載した読響の冊子「月刊オーケストラ」の2012年5月号に渡辺和さんによる作品解説と、長木誠司さんによる「アリベルト・ライマンとは誰か?」という特集記事が掲載されています。(読響はライマンのオペラ「メデア」と「リア王」の日本初演に参加する予定だそうです。) この冊子、バックナンバーの取り寄せが可能かどうか定かではありません。(冊子本体にも、読響のウェブサイトにも何も書かれていないため)
ご参考までに、以下にライマン関係のリンクを載せておきます。
・ アリベルト・ライマン (Wikipedia / 日本語)
・ Aribert Reimann: Sieben Fragmente für Orchester in memoriam Robert Schumann (1998) (Wikipedia / ドイツ語)
・ Aribert Reimann: Sieben Fragmente für Orchester in memoriam Robert Schumann (1998) (SCHOTT / 英語)
※ついでなので、本文で触れた読響とN響の公演記録を掲載しておきます。
●2012年 5/15(火) 19:00開演
サントリーホール
読売日本交響楽団 第515回定期演奏会
下野竜也 (指揮)
三浦文彰 (ヴァイオリン)
ライマン / 管弦楽のための7つの断章 -ロベルト・シューマンを追悼して- (日本初演)
シューマン / ヴァイオリン協奏曲 ニ短調
(ソリストのアンコール)
パガニーニ / 「パイジェルロの水車屋の娘から 我が心もはやうつろになりて」による変奏曲 op.38
シューマン / 交響曲 第2番 ハ長調 op.61
●2012年 6/20(水)・6/21(木) 19:00開演
サントリーホール
NHK交響楽団 第1732回定期公演 (Bプロ)
ウラディーミル・アシュケナージ (指揮)
アナ・チュマチェンコ (ヴァイオリン)
(オール・シューマン・プログラム)
「マンフレッド」 op.115 序曲
ヴァイオリン協奏曲 ニ短調
交響曲 第4番 ニ短調 op.120
※初日の模様はNHK-FMで生放送されました。
初日の演奏会は8/19(日)にNHK-BSプレミアムで放送される予定です。
→ N響放送予定