詳細がよくわかりませんが、録音を担当している制作会社のブログにシューマンの録音が行われたことが紹介されていますので、シューマン作品の放送もそのうちありそうです。
準・メルクル インタビュー 「レコード芸術」 (2007年3月号)
今、店頭に並んでいる「レコード芸術」 (2007年3月号)に準・メルクル氏のロング・インタビューが掲載されていました。昨年、録音セッションが行われ、年末に発売されたNHK交響楽団とのシューマン全集について。
1月のシューマン2題 グシュルバウアーとブリュッヘン
さて、あれこれの諸事に煩わされているうちに、あっという間に2月も後半に突入してしまいました。このニュース欄の更新に手がまわらず、いささか情報が古くなりましたが、「1月のシューマン」について少し。
昨年はシューマンの没後150年記念ということで、特に命日の7月29日を中心にシューマンの興味深い公演をたくさん聴くことができました。そのシューマン年も過ぎ去り、年が改まった1月も後半に入ってから、先の「記念年」を髣髴とさせるような(そして、私が「これは、これは…」と感じた)シューマン公演がありました。
まず、読売日本交響楽団の定期演奏会、テオドール・グシュルバウアー氏の指揮によるオール・シューマン・プログラム。(1/22(月) サントリーホール)(※ 1) この公演ではオーケストラ伴奏による「悲劇」が取り上げられました(※ 2)。 この曲に関しては、私自身、オーケストラ版を聴いたことがなかったため、興味津々で出かけました。この「悲劇」では「ペリ」や「うたびとの呪い」のような作品で聴くことのできる、シューマン特有のオーケストラと人間の声のやわらかなやりとりが繰り広げられ、まさに夢のようなひとときでした。また、交響曲を含め、この演奏会では全体的にオーケストラが厚く重くよく鳴っていたと思いますし、とても自然なアプローチでした。
もう1つの公演は新日本フィルハーモニー交響楽団の定期演奏会。フランス・ブリュッヘン氏によるシューマンの交響曲第4番「初演版」。(1/26(金),27(土) すみだトリフォニーホール)(※ 3) ブラームス校訂による1841年版ではなく、初演時の稿による1841年版です(ややこしいですね^^)。両翼配置、ピリオド奏法を取り入れた演奏。ピリオド・オーケストラ風の明るく透明な響きと軽快な流れはこの版にとても合っていましたし、第4楽章の木管群のハーモニーの美しさは格別でした。 (そしてプログラム後半のベートーヴェンの「プロメテウス」は想像を絶する名演でした…)
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※以下、この2つの公演の記録です。
●1/22(月) サントリーホール
読売日本交響楽団 第456回定期演奏会
(指揮) テオドール・グシュルバウアー
(ソプラノ) 堪山貴子
(テノール) 高橋淳
(オール・シューマン・プログラム)
歌劇 「ゲノフェーファ」 op.81 より ~ 序曲
交響曲 第1番 変ロ長調 op.38 (春)
悲劇 (ハイネの詩による) (※)
交響曲 第2番 ハ長調 op.61
(※)「バラードとロマンス 第4集」 op.64 の第3曲の作曲者自身によるオーケストラ伴奏版。
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●1/26(金)
●1/27(土) すみだトリフォニーホール
新日本フィルハーモニー交響楽団
第412回定期演奏会 「夢の再共演」
(指揮) フランス・ブリュッヘン
シューマン / 交響曲 第4番 ニ短調 (初演版) op.120
ベートーヴェン / バレエ音楽 「プロメテウスの創造物」 op.43
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(※ 1)2003年12月の定期演奏会でもグシュルバウアー氏の指揮によるオール・シューマン・プログラムの公演が行われました。
(※ 2)「バラードとロマンス 第4集」 op.64 の第3曲の作曲者自身によるオーケストラ伴奏版。曲は3つの部分から成り、(1)若者が惚れた娘に駆け落ちしてくれと懇願する(駆け落ちしてくれなかったら死んでやる) (2)2人は駆け落ちをした→2人とも最後には死んでしまった(不幸な結末) (3)墓場に立つ菩提樹の、その木の下で若く(新しい)恋人たちが泣く……。この曲のCDですが、オーケストラ伴奏版については情報がほとんどなく、入手はとても難しそうです。ピアノ伴奏版は探せばいろいろと見つかります。(たとえばハイペリオン盤)
(※ 3)ブリュッヘン氏は2005年2月に新日本フィルを、というか、日本のオーケストラを初めて指揮。この時もシューマンを取り上げました。
ライス国務長官演奏のシューマン
※末尾に追記あり:音声ファイル、動画のリンク切れ部分を削除、YouTubeへのリンクを追記しました。 (2016.02.02)
最近、TBSの「CBSドキュメンタリー」を見ていなかったので気がつきませんでしたが、アメリカのテレビ局CBSの "60 Minutes" で珍しいシューマン演奏が放送されたようです。
音楽教師を母に持つアメリカのライス国務長官は音楽と縁の深い人物として知られています。 "Condoleezza" というファーストネームは音楽用語(イタリア語の "con dolcezza" )からつけられたそうですし、若い頃はプロのピアニストを目指して音楽の勉強をしていた時期もあるそうです。また、政治家となった今でも、時間があればピアノでブラームスなどを弾いていることは日本でもニュース映像などで度々紹介されてきました。そんな彼女が、昨年、アメリカの有名なドキュメンタリー番組 "60 Minutes" に出演した折、密着取材の中で仲間とシューマンのピアノ五重奏曲の第1楽章を演奏している様子を披露しました。 (「ライス国務長官とシューマン」という取り合わせが意外でしたので、このニュース欄に取り上げた次第)
CBS(アメリカ)での放送は昨年9月24日、TBS(東京)での放送は2か月遅れの11月22日深夜(23日)だったようです。私は放送を見逃してしまいましたが、たまたまダウンロードして溜め込んでいたPodcastのバックナンバーファイル(映像なしの音声ファイルのみ)にこの密着取材の模様が含まれていました。探したら映像もWEB上にありました。 (残念ながら、映像はPodcastとして配信されていません) CBSが公式にアップロードしている映像はPodcastより長めの編集、演奏もたっぷりめです。
世界有数のエネルギッシュな政治家として知られるライス国務長官の意外な一面が見られる上、しかもシューマンの室内楽を演奏するという渋さ…。興味深い映像です。
●以下のURLから音声と映像を視聴できます。
※音声ファイルのみ
CBS Podcast
Yahoo! : 60 Minutes: Condoleezza Rice
※映像
Yahoo! "60 Minutes"
(この中の "Roll Over Beethoven" というファイル)
直に開く時は この辺り あるは この辺り
冒頭のCMはスキップできない模様…
※ Podcastと同じ内容の映像付きのものは YouTubeで "Condoleezza Rice, Piano" と検索すれば今なら見られます。(ここの4分28秒くらいから。ファイルが削除されている場合もあります) 画質・内容ともに Yahoo!の映像ファイルを推奨いたします。
既に上記のリンク先のファイル類はすべて削除されていますが、YouTubeにインタビュー映像がアップされていました。(こちらもいずれ削除される可能性があります)
ライス氏がシューマンを演奏している様子は4分28秒あたりからはじまります。
YouTubeのサイト上で動画を再生する場合はこちらのリンクから。
(4分28秒過ぎからはじまります)
没後150年記念特集
諸事情から作業時間が取れず、予告からずいぶんと時間があいてしまいましたが、「シューマン没後150年の命日に」(8月19日付当ニュース記事)でご紹介した、TAKUさんから送っていただいた写真の数々と、写真に添えられたコメントを「没後150年記念特集」の第1弾としてまとめ、当ウェブサイトに掲載させていただきました。TAKUさん、ありがとうございました。
→ 没後150年記念特集 「2006.7.28~29 エンデニヒ~ボン」 (by TAKUさん)
※第2弾はこれからまとめる予定です。公開は年明けを過ぎてからになると思います。