N響アワーでシューマン特集

 トップページのニュース速報欄で既にお伝えしているように、9月10日(日)のNHK教育テレビの「N響アワー」でシューマンが特集される予定です。

(「シューマンが」といっても、今回は6月の定期でクララのピアノ協奏曲が取り上げられたこともあって、「N響アワー」でもクララの作品が紹介されますから、「シューマン夫妻が」特集されると言ってもよいでしょう。)

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■放送予定

2006年 9/10(日) 21:00~22:00
NHK教育テレビ 「N響アワー」

「池辺晋一郎の音楽百科」
“シューマン”のロマンを聴く

クララ・シューマン / ピアノ協奏曲 イ短調 op.7 から 第3楽章
シューマン / 交響曲 第1番 変ロ長調 op.38 「春」

(指揮) 準・メルクル
(ピアノ) 伊藤恵
(管弦楽) NHK交響楽団

(収録 : 2006.06.09 NHKホール)

●NHK番組表

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 なお、N響は12月の定期公演でもシューマン没後記念プログラムを予定しています。こちらはオピッツの独奏でシューマン自身のピアノ協奏曲が演奏される予定です。また、6月の定期では交響曲第4番の1841年のヴァージョンが取り上げられましたが、12月の定期では1851年のヴァージョンが取り上げられるようです(?)。指揮はローター・ツァグロゼク。(詳細)

追記
●この記事の続報は下記ページ
http://robert-schumann.com/novelletten/news.php?itemid=135

ノヴェレッテン op.21 のべろく入り抜粋盤と全曲録音 (E・リッチ、N・ロス)

※「シューマンおたく学会データベース」の更新情報です。

【CD】 エリザベス・リッチ (pf.) と ニコラス・ロス (pf.) を設置。貴重なノヴェレッテンの録音。リッチは抜粋盤、なんと「のべろく」こと「第6曲」を抜粋収録(のべろく入り抜粋盤、ほかに見たことありません)。ロスは全曲録音。

シューマン没後150年の命日に(短信/ボンと神戸から)

 シューマンの没後150年の今年、命日の7月29日には記念の公演や催しが各地で開かれました。ここではボンと神戸での追悼イヴェントについて簡単に報告します。

●ボンの記念式典

 ロンドン在住のTAKUさんからの情報です。
 TAKUさんからのメールによれば、ボンでは旧墓地(Alter Friedhof)のシューマン夫妻のお墓の前で命日の午後4時から記念式典が行われました。参列者は50人ほど。30分ほどの式典では、スピーチのほか、男声合唱団によってシューベルトのドイツ・ミサ曲 D872 の第5曲 "Zum Sanctus" がシューマン夫妻の墓前に捧げられたとのことです。
 TAKUさんは行かれなかったそうですが、この日、ボンに近いエンデニヒのロベルト・シューマン・ハウス(Robert Schumann Haus)(シューマン最期の地)でも、150年を記念して建立されたシューマン像の除幕式があったそうです。


写真:2006年7月29日 ボンの旧墓地での記念式典(TAKUさん提供)

●神戸

 同じく7月29日の夜、神戸では神戸新聞松方ホール主催による「シューマン・プロジェクト」として、CD「シューマニアーナ」シリーズでおなじみのピアニスト伊藤恵さんの3回連続リサイタルの最終回が開催されました。大勢のシューマン・ファンが集い、伊藤さんの演奏でシューマンを偲びました。
(良いリサイタルでした。)

 (プログラム)
   蝶々 op.2
   ダヴィッド同盟舞曲集 op.6
   幻想曲 ハ長調 op.17

 (アンコール)
   幻想小曲集 op.12 より ~ 第1曲「夕べに」


写真:松方ホール前の立て看板(ととろお撮影)

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※上記の2つのレポートは短信です。長い版は後日、「没後記念特集」としてまとめる予定です。

※みなさんへのお願い
今年、どこでどのような記念の企画があったのか、情報を集約して残しておきたいと考えています。 情報をお持ちの方は、ぜひ 「没後記念特集」 から情報をお寄せください。 詳細は このページ をご覧ください。 どうぞよろしくお願いいたします。

※メールで送っていただいた情報と写真を、このニュースと特集ページに活用することを許可してくださったTAKUさんに深く感謝いたします。

(2006.12.27 追記)
TAKUさんからのレポートをこちらにまとめました。

ニコライ・デミジェンコ

※「シューマンおたく学会データベース」の更新情報です。

【CD】ニコライ・デミジェンコ (pf.) を設置。 ソナタ第1番 op.11、ソナタ第3番 op.14の全曲とライヴ録音からの「クララ・ヴィークの主題による変奏曲」の抜粋、フモレスケ op.20、ノヴェレッテン op.21(全曲)。

 いずれも、とてもすばらしい演奏。「のべろく」ことノヴェレッテンの第6曲は超個性的だが、考え抜かれた構成と完全なコントロールによって、陰影の深く、あの短い曲がここまで詩的なドラマを孕んだものとして響くのかと驚きました。

I・オイストラフ ヴァイオリン協奏曲(カデンツァ付) ロジェストヴェンスキー指揮 (REVELATION)

※「シューマンおたく学会データベース」の更新情報です。

【CD】 イゴール・オイストラフ (vln.) を更新、ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー (cond.) を設置。

 1969年のヴァイオリン協奏曲のライヴ録音。

 第1楽章の終わりの方でヴァイオリン・ソロがカデンツァを弾いています(第329小節のトゥッティの後からの約23秒間)。このカデンツァについてはよくわからないので情報を募集中です。

 音質があまりよくなくて細部は霧がかかったようで少々物足りませんが、演奏はおもしろいと思います。第3楽章のあまりの速さには驚嘆、甘美さとロマン性を排除したかのような音色と推進力。美しい音色とゆったり広がる夢幻性を求める人には受け入れがたいものかもしれませんし、好き好きはあるでしょうが、第3楽章でのこの独奏ヴァイオリンの推進性は、ライヴならではの気迫とあいまって、実に見事だと思います。なお、このCDの入手は難しいのではないかと思います。