春の音楽 -上野の建物- (東京・春・音楽祭/屋外展示)

上野公園で開催中の「東京・春・音楽祭 -東京のオペラの森2010-」(2010.3/14-4/10)で岩野絵里さんという若い作家の「春の音楽 -上野の建物-」という作品が屋外展示されています。場所は東京文化会館の前、外の柱です。春をモチーフにした作品の楽譜を素材として、上野公園内の歴史的建造物を描き出している、とてもおもしろい作品です。近づいてよく見るまで、私はそれが楽譜であることに気がつきませんでしたが、近くでつくづく眺めて、これは本当によくできているなあと感心してしまいました。シューマンの「春の夜」も取り上げられていますので期間中に上野に立ち寄られるご予定の方は探してみてください^^

写真はこちら

また、少し前の夜、たまたま通りがかって目にした「うえの華灯路 浮世絵行燈」ですが、台東区のホームページなどには冬の間の期間限定イヴェントとあったのに、日付がちょっとずれているからおかしいなと思っておりましたところ、やはりこれも「東京・春・音楽祭」のイヴェントの一環として飾られているものなのだそうです。幻想的な眺めですので、こちらもお時間のある方はぜひお立ち寄りを。点灯時間は18時~22時、国立科学博物館前・西洋美術館脇の小径で見ることができます。

写真はこちら (地図もあります)

●「東京・春・音楽祭」 公式ウェブサイト

「音楽現代」でシューマンとショパンの生誕200年記念特集記事 (2010年4月号)

「音楽現代」の4月号でシューマンとショパンの生誕200年の特集が組まれています。特集の名称というか意図としてはシューマンとショパンを対比したものとなっていますが、どちらかというとショパンに偏っている印象を持ちます。

# 桜尽くしの中にシューマンとショパンが浮かび上がっている表紙の図柄が、シューマンの春!への憧れを連想させます^^


「音楽現代」 2010年4月号
(芸術現代社、第40巻第4号)

生誕200年記念
「ショパン、シューマン、ロマン派音楽の粋」

(pp.49-80)

・ 私とショパン 「どうしてこんなに美しいものを創造できるのだろう」

  室井摩耶子 pp.50-51

・ ショパンとシューマンのピアノ音楽の本質

  青澤唯夫 pp.52-54

・ ロマン派の音楽 ~その変遷と意味

  石多正男 pp.55-57

・ ショパン、シューマンとロマン派の作曲家群像 ~その影響=受けたもの、与えたもの

  菅野浩和 pp.58-60

・ ショパンとシューマンの生涯を対比する

  菅野康彦 pp.61-63

・ 音楽の革命児のショパンの室内楽曲・歌曲 ~内的世界と、祖国&友人たちへの情愛の産物だろうか

  伊東雨音 pp.64-65

・ シューマンのオーケストラ作品 ~その魅力と弱点を探る

  八木幸三 pp.66-67

・ サンドとショパン、クララとロベルト ~2組のビッグ・カップル、その愛と芸術の行方

  荻谷由喜子 pp.68-70

・ ショパンのポーランド 「ワルシャワ1:散歩道」

  原作(共著):マリタ・アルバン・ユアレス、エヴァ・スワヴィンスカ=ダーリック (Narodowy Instytut Fryderyka Chopina)
  訳:重川真紀 pp.71-72

・ 最近のショパンCDを聴く ~小山実稚恵、仲道郁代、平野啓一郎選「葬送」

  青澤唯夫 pp.73-74

  ※あろうことか、本文記事冒頭(p.73)に掲げられているサブタイトルの「平野啓一郎」氏の「平野」が「平部」となっています。 サブタイトルを見て、一瞬、「平部…って、だれ?」と^^

・ インタビュー ルネ・マルタン大いに語る
 「ショパンの作品を全曲演奏してもわずか22時間しかないのに…」

  訊き手:浅岡弘和 pp.75-76

  ※LFJのアーティスティック・ディレクターのルネ・マルタン氏へのインタビュー。

・ ラ・フォル・ジュルネ2010「熱狂の日」音楽祭「ショパンの宇宙」
  今年の注目したいコンサートと聴き所

  浅岡弘和 pp.77-80


「音楽現代」ウェブサイト

「音楽現代」のウェブサイトから直接購入することができます。
「音楽現代」 2010年4月号

ウェブラジオ - セントポール室内管弦楽団 (ジョナサン・ビスのピアノ協奏曲) ほか

※記事を書いた時にはまだオンデマンドで聴くことのできなかったツヴィッカウ、ラインもアップされました。 (→ こちら


ウェブラジオの話題です。

先日、聴きたいウェブラジオの放送があったのですが、またしても聴き逃してしまいました。東京で欧州からの放送(ライヴ配信)をリアルタイムで聴くことは時間的なタイミングの問題で難しいですし、仮にタイミングが合うとしても、放送に合わせて(その放送の間じゅう)PCの前に座っていることは考えるほどには簡単なことではありません。だから結局、「あっ」と思った時にはもうとっくに放送が終わっていることが少なくありません。聴き逃して「がっかり」、そして後から「やっぱり、あれ、聴きたかったなあ」としみじみ…。あるいは、放送前にはその放送予定自体を知らず、後から知って「そうだったのか…(涙)」と思うことも、これまた少なくありません。私の周囲にも同じようなことを言う人たちがいます。

そのような「困ったあれこれ」が念頭にあるため、私のサイトで「ウェブラジオで聴けるシューマン作品の演奏」を紹介する際には、インターネット上での生放送(ライヴ配信)ではなく、たとえ期間限定であっても、24時間いつでも聴けるもの(オンデマンド配信)だけを紹介しています。生放送(ライヴ配信)を聴きたいという方は、有名な、そしてとてもすばらしいサイトである「ウェブラジオでクラシック音楽ライブ」(旧「ウェブラジオで聴ける海外クラシック音楽ライヴ番組表」)や「番組表wiki - 海外ネットラジオのクラシック音楽番組」にてそれぞれご確認ください。

また、ウェブラジオの利用に際しては、くれぐれも「常識と著作権法の範囲で利用する」ということに留意してくださいね。

さて、以下にご紹介するのは「探し物」をしている途中で見つけたウェブラジオのオンデマンド配信で聴くことのできるシューマン情報です。アメリカのミネソタ州に本拠を持つセントポール室内管弦楽団(Saint Paul Chamber Orchestra (SPCO), 1959年創設)のシューマン公演が数多く聴けるサイトを見つけました。

# 探していたのはこのオケの演奏ではないし、それは結局、見つからなかったのでした。 N.ズナイダー@SKD/C.デイヴィスが聴きたかったのでした(涙)

※以下で紹介している情報については、将来的には、ある程度の期間をおいてページそのものが削除もしくは、音楽ファイルが削除されている可能性があります。ご留意ください。

※以下の文中では敬称を省略しています。


■アメリカのラジオ局、ミネソタ公共ラジオ (Minnesota Public Radio)のウェブサイトで聴くことのできるシューマン。

曲目部分をクリックすると放送を聴くことができるページが開きます。

ミネソタ公共ラジオのウェブサイトで聴く場合、番組や各ファイルの冒頭、数秒間、サポート(寄付)のお願いのアナウンスが流れます。(ここに貼り付けたプレイヤーをクリックしてもお願いのアナウンスは流れないようです)

ブログやウェブサイトで紹介可能な記述用のソースも提供されています。
(以下にも設置しました)

Podcastでも聴けるようですが、あれこれやっても、なぜか私の iTunes ではダウンロードできませんでした。
(iTunes のヴァージョンの問題かもしれませんし、著作権保護のため、サーバー側が国外からのIPをはねているのかもしれませんが、ちょっとわかりません…)

ヴァイオリンとオーケストラのための幻想曲 ハ長調 op.131

(ヴァイオリン) アンネ=ゾフィー・ムター Anne-Sophie Mutter
(指揮) クルト・マズア Kurt Masur
(管弦楽) ニューヨーク・フィルハーモニック New York Philharmonic
(録音 : 1997.07 Avery Fisher Hall, New York)

Deutsche Grammophon [457 075]

これはDGから発売されています。この曲自体を聴いたことがない方も多いのではないかと思いますので情報を掲載しておきます。

2時間の番組ですが、シューマンは上記ファイルの44分過ぎあたりから聴くことができます。


交響曲 第4番 ニ短調 op.120 (1841年版)

(指揮) ダグラス・ボイド Douglas Boyd
(管弦楽) セントポール室内管弦楽団
       Saint Paul Chamber Orchestra (SPCO)
(録音 : 2008.03.16 ミネソタ)

・ 第1楽章

・ 第2楽章

・ 第3楽章

・ 第4楽章


交響曲 第4番 ニ短調 op.120 (1841年版)

(指揮) ダグラス・ボイド Douglas Boyd
(管弦楽) セントポール室内管弦楽団
       Saint Paul Chamber Orchestra (SPCO)
(収録 : 2008.03.16 ミネソタ Ted Mann Concert Hall)

[この項、修正]
上記番組とこの番組サイトのそれぞれの公演日の日付が1日ずれている上、私も放送日と公演日(収録日)を見間違えていましたが前記の演奏会と同じ演奏会での(?)ライヴ録音のようです。が、日付は3月16日のようです。

前記のファイルは楽章ごとに分割されていますが、こちらは単一のファイルです。


夜曲 op.23 第1曲

(ピアノ) シャイ・ウォスネル Shai Wosner
(収録 : 2009.05.03 ミネソタ州セントポール,
      Macalester College)

これは「シューベルトの初期、中期、後期」 (Franz Schubert: Early, Middle, Late) と題されたリサイタルのアンコール演奏。リサイタルの本プロブグラムはシューベルトのソナタ第13番 D664、楽興の時、ソナタ第17番 D850。 私の「大好きな曲」しかないこのプログラムの曲目に号泣^^

※シューベルトも含めて聴く場合はこちらのページからアクセスしてください。

演奏しているシャイ・ウォスネル (Shai Wosner) は 1976年生まれ、イスラエル出身のピアニスト。21歳でNYに移りジュリアードでアックスに師事、現在もNYに在住。1999年のエリザベート4位だそうです。

公式ウェブサイト
Wikipedia
Queen Elisabeth Music Competition


序曲、スケルツォとフィナーレ op.52

(指揮) Stephen Copes
(管弦楽) セントポール室内管弦楽団
       Saint Paul Chamber Orchestra (SPCO)
(録音 : 2009.11.30 ミネソタ州セントポール,
       Wooddale, Saint Paul's UCC)


ヴァイオリンとオーケストラのための幻想曲 ハ長調 op.131

ピアノ協奏曲 イ短調 op.54

(指揮、ヴァイオリン) ルッジェロ・アリフランキーニ
             Ruggero Allifranchini
(ピアノ) ジョナサン・ビス Jonathan Biss
(管弦楽) セントポール室内管弦楽団
       Saint Paul Chamber Orchestra (SPCO)
(収録 : 2010.01.18 ミネソタ St. Paul's United Church of Christ)

上記リンク先の番組ページには "Conductor/Soloist: Ruggero Allifranchini, director and cello" とありますが、もちろんこれは "director and violin" の間違いです。アリフランキーニはボローメオSQの元メンバーだそうです。

・ ヴァイオリンとオーケストラのための幻想曲 ハ長調 op.131

・ ピアノ協奏曲 イ短調 op.54


以下はファイルがアップされていませんが、放送内容のみ記載のあるものです。最近の演奏会&放送なので、今後、ファイルがアップされる可能性があります。

交響曲 ト短調 WoO 29 (ツヴィッカウ Zwickau)
・ Michele dall'Ongaro: Checkpoint for Chamber Orchestra
交響曲 第3番 変ホ長調 op.97 (ライン)

(指揮) ロベルト・アバド Roberto Abbado
(管弦楽) セントポール室内管弦楽団
       Saint Paul Chamber Orchestra (SPCO)
(収録 : 2010.01.29 ミネソタ Eden Prairie, Wooddale Church)


(2010.04.03 追記)
アップされたようです。ツヴィッカウ、Michele dall'Ongaro の作品(20分)、ラインの順で聴くことができます。

また、このセントポール室内管弦楽団は今年の演奏会でシューマンをたくさん取り上げていますので、これまで行われた演奏会や今後行われる演奏会についても、ミネソタ公共ラジオのセントポール室内管弦楽団のライヴ番組やほかのラジオ局のウェブサイトで取り上げられる可能性があります。

ロベルト・アバドは「クラウディオおじさん」の甥っ子ですが、彼は確か昔、日本でもシューマンを振っていたようなかすかな記憶が… (聴きに行かなかったので、一層あてにならない、かすかな記憶しかないのであります…聴きに行けばよかったなー^^)

(2010.03.25 追記) 97年頃の都響公演だったかと思いますが、友人に確認したら、ロベルト・アバド、急病で来日キャンセル、小泉さんが代演だった、とのこと。やはり私の「あてにならない、かすかな記憶」は文字通り「あてにならない記憶」でした^^

(2010.03.29 追記)
Roberto on Robert: Abbado conducts Schumann with the St. Paul Chamber Orchestra
(ロベルト・アバドの英語インタビューあり)


Instrumental Women 2003, from Minnesota Public Radio Music

ページデザインが崩壊していますが、上記アーカイヴページの "Comparing Notes" の "Hour 1" をクリック、51分過ぎから、クララとロベルトが遺したドキュメントの英訳による朗読53分32秒過ぎからクララのピアノ協奏曲 イ短調 op.7 の第2楽章を聴くことができます。

クララ・シューマン / ピアノ協奏曲 イ短調 op.7 より 第2楽章

(ピアノ) アンジェラ・チェン Angela Cheng
(指揮) ジョーアン・ファレッタ JoAnn Falletta
(管弦楽) Women's Philharmonic
(録音: 199? )

KOCH [3-7169-2H1]


Musiq3 (ベルギーのフランス語放送局 RTBF の音楽専用ラジオチャンネル)の Podcast のページ

期間限定のようですが、複数の番組の中でCD音源や演奏会中継のシューマンを聴くことができるようです。期間限定なので、CDで聴けるものはここには載せませんが、今日(3月24日)現在、上述のセントポール室内管弦楽団の先週日曜に行われた演奏会のライヴをまるごと聴くことができます。

このページ の中央部に表示されているフレーム枠の小窓の中から(ちょっと見づらいですが)、

"2010-03-22 20h St Paul Ch. O.-R. Abbado"

この日付をクリックしてください。ウェブ用のラジオプレーヤーの画面が立ちあがり、ライヴ中継を聴くことができます。

2010年3月22日の タイムテーブル

この中の "20:00 Concert" というところに記載があります。

・ 演奏者、曲目、収録日 (ここに詳細

(指揮) ロベルト・アバド Roberto Abbado
(ピアノ) ジョナサン・ビス Jonathan Biss
(管弦楽) セントポール室内管弦楽団
       Saint Paul Chamber Orchestra (SPCO)
(収録 : 2010.03.14 ミネソタ ミネアポリス Ted Mann Concert Hall)

※3週にわたる「シューマン週間」の第1週 "Celebrating Schumann"

コンツェルトシュテュック、序奏とアレグロ・アッパショナート ト長調 op.92
・ スタッキー (1949- ) / Chamber Concerto
     (world premiere commissioned by the SPCO)
ピアノとオーケストラのための序奏とアレグロ ニ短調 op.134
序曲、スケルツオとフィナーレ op.52

このプログラムは3月12日、13日、14日と3日続けて演奏されましたので、このオーケストラによる委嘱新作、スティーヴン・スタッキー (Steven Stucky)の "Chamber Concerto" の世界初演は3月12日ということになります。「グレの歌」のあたりのシェーンベルクを思わせるような作風、私の感覚では「とても聴きやすく美しい、ちょっと古風で郷愁的な曲」です。シェーンベルク・ファンだったら気に入るのではないかと思います。

第2週、第3週の演奏会の内容は以下の通りです。 (ここに詳細

これらもミネソタ公共ラジオやほかのラジオ局のウェブサイトでいずれ聴けるかもしれません。

●第2週 "Schumann's 4th Symphony"

Friday, March 19, 2010, 8:00pm
 Wooddale Church, Eden Prairie

Sunday, March 21, 2010, 2:00pm
 Benson Great Hall, Bethel University, Arden Hills

(指揮) ロベルト・アバド Roberto Abbado
(ヴァイオリン) Dale Barltrop

Berio: Requies for Chamber Orchestra
Schumann: Concerto in D Minor for Violin and Orchestra, WoO 23
Schumann: Symphony No. 4 in D Minor, Opus 120

●第3週 "Schumann's 2nd Symphony"

Thursday, March 25, 2010, 8:00pm
 Trinity Lutheran Church, Stillwater

(指揮) ロベルト・アバド Roberto Abbado
(チェロ) Ronald Thomas

Schumann: Overture to Genoveva, Opus 81
Haydn: Concerto No. 2 in D for Cello and Orchestra, H. VIIb:2
Schumann: Symphony N. 2 in C, Opus 61

漆原朝子 シューマン ヴァイオリン・ソナタ全曲演奏会 in 東京文化会館

※この公演のより新しい情報はこちら


詳細不明ですが、コジマ・コンサートの公演予定に出ていました。

→ ここ

2010年 10/18(月) 東京文化会館 小ホール
漆原朝子 (ヴァイオリン) & ベリー・スナイダー (ピアノ)
シューマン生誕200周年記念
~ ヴァイオリン・ソナタ全3曲&3つのロマンス ~

※詳細が判明したら続報を掲載します。

2010/2011シーズン: シューマンを取り上げる音楽祭やプロジェクトの情報 (簡易リスト 第1版/増補版)

増補内容 :
藝大の室内楽の情報を追加 (2010.03.29)


※まとめ記事を書く前の「簡易リスト」(インデックス)です。

記事を書いたものから順次、リンク先を変更していきますが、現時点では演奏会情報や外部サーバーの何らかの情報ページにリンクしています。(一部は当サイト内ニュースやピックアップの当該記事にリンクしています)