LFJ2014のシューマン (有楽町、びわ湖)

今年のLFJもシューマンは関係ないから、2~3公演聴いて屋台で何か食べて終わりにしようと思っていたところ、曲目が発表されてみたら、シューマンもいくつかありました。

http://www.lfj.jp/lfj_2014/performance/artist/detail/comp_25.html

========================================
LFJ(有楽町)
========================================

■公演番号126
5/3(土・祝) 19:30~20:20 ホールB7

シューマン / ピアノ五重奏曲 変ホ長調 op.44
シューマン / ヴァイオリン・ソナタ 第1番 イ短調 op.105

(ピアノ) クレール・デゼール

フォル・ジュルネ・カメラータのメンバー
  (ヴァイオリン) 正戸里佳
  (ヴァイオリン) クレモンス・ドゥ・フォルスヴィル
  (ヴィオラ) コランタン・アパレイー
  (チェロ) オーレリアン・パスカル

■公演番号156
5/3(土・祝) 19:45~20:40 ホールD7

シューマン / 子どもの情景 op.15
シューマン / クライスレリアーナ op.16

(ピアノ) 児玉桃

■公演番号157
5/3(土・祝) 21:30~22:20 ホールD7

シューマン / ヴァイオリン・ソナタ第2番 ニ短調 op.121
ブラームス / ヴァイオリン・ソナタ第3番 ニ短調 op.108

(ヴァイオリン) 戸田弥生
(ピアノ) アブデル・ラーマン・エル=バシャ

■公演番号232
5/4(日・祝) 12:45~13:30 ホールB5

リスト / オーベルマンの谷 (巡礼の年 第1年 「スイス」 より)
シューマン / ダヴィッド同盟舞曲集 op.6

(ピアノ) マタン・ポラト

■公演番号273
5/4(日・祝) 15:00~15:55 よみうりホール

ブラームス / 3つの間奏曲 op.117
シューマン / 交響的練習曲 op.13

(ピアノ) 仲道郁代

■公演番号255
5/4(日・祝)18:00~18:50 ホールD7

ブラームス / シューマンの主題による16の変奏曲 嬰ヘ短調 op.9
シューマン / 幻想小曲集 op.12

(ピアノ) 伊藤恵

■公演番号385
5/5(月・祝) 18:00~19:05 よみうり大手町ホール

リスト / ピアノ・ソナタ ロ短調
シューマン / 幻想曲 ハ長調 op.17

(ピアノ) ヨーゼフ・モーグ

※モーグ氏の公演、曲目が変更されたそうです。(2014.4.19 追記)

ベートーヴェン / 幻想曲 ト短調 op.77
リスト / 憂鬱なワルツ
リスト / バラード第2番 ロ短調
リスト / 泉のほとりで(巡礼の年 第1年「スイス」より)
ヴェルディ(リスト編) / オペラ《エルナーニ》演奏会用パラフレーズ
ラヴェル / 夜のガスパール

※モーグ氏は健康上の理由により来日キャンセル。
この公演はケフェレック氏が代演、プログラムも変更。(2014.5.2 追記)

(ピアノ) アンヌ・ケフェレック

「音楽の捧げもの<献呈する音楽>」
ベートーヴェン / ピアノ・ソナタ第14番 嬰ハ短調 op.27-2 「月光」
ラヴェル / 鏡

詳細はここ

========================================
LFJ びわ湖
========================================

■公演番号28-M-1
4/28(月) 12:30~13:15 びわ湖ホール 中ホール

レクチャーコンサート「一途な愛を奏でる」
ブラームスとクララ・シューマン

(ピアノ) イリーナ・メジューエワ
(案内) 宅間司 (しがぎん経済文化センター プロデューサー)

※曲目不明

http://www.biwako-hall.or.jp/2014/02/8696/

■公演番号29-M-1
4/29(火) 10:00~10:45 びわ湖ホール 中ホール

シューマン / アラベスク ハ長調 op.18
シューマン / 3つの幻想的小品 op.111
ブラームス / 6つのピアノ小品 op.118-1,2
ブラームス / 7つの幻想曲 op.116-3,4
ブラームス / 4つの小品 op.119-4

(ピアノ) イリーナ・メジューエワ

http://www.biwako-hall.or.jp/2014/02/8682/

キルヒシュラーガー来日中止、ダヌマン&ボストリッジのオール・シューマン(ピアノ:ドレイク)

さて、メゾ・ソプラノのアンゲリカ・キルヒシュラーガーのチケットを購入して「まだかなー、まだかなー」とリサイタルを心待ちにしていた人(私だ!)に「キルヒシュラーガー来日中止」の悲報が届いたのが10日ほど前。ピアノのドレイクとの共演によるリサイタル(東京、名古屋)は中止となりましたが、ボストリッジとの共演の方(4/12 東京春祭)は出演者変更・曲目変更という形で演奏会が行われるそうです。

もともとボストリッジとの共演の日はヴォルフのスペイン歌曲集が歌われる予定でしたが、ソプラノのソフィー・ダヌマンが代役として出演、曲目もオール・シューマンに変更されました。

キルヒシュラーガーからのメッセージ、払い戻し、4/12の差額返金等については東京春祭、電気文化会館(名古屋)のサイトを確認してみてください。

東京公演
http://www.tokyo-harusai.com/news/news_2053.html

名古屋公演
http://www.chudenfudosan.co.jp/bunka/denbun/topics/detail/10305

ダヌマンが代役出演、ボストリッジと共演する演奏会

2014年 4/12(土) 18:00開演(17:30開場)
東京文化会館 小ホール

東京春祭 歌曲シリーズ vol.14
ソフィー・ダヌマン(ソプラノ)& イアン・ボストリッジ(テノール)

(ピアノ) ジュリアス・ドレイク

(オール・シューマン)
4つの二重唱曲 op.78
5つのリート op.40
子供のための歌のアルバム op.79より
ロマンスとバラード 第4集 op.64より
歌曲集「ミルテの花」 op.25 より
4つの二重唱曲 op.34

http://www.tokyo-harusai.com/program/page_1849.html

シューマン/ヴァイオリン・ソナタ 第2番 op.121:庄司紗矢香、戸田弥生、堀米ゆず子

庄司紗矢香さんがこの秋の日本でのリサイタルで久しぶりにシューマンのソナタを取り上げるそうですが(ソナタ第2番、ピアノ:カシオーリ)、戸田弥生さんもエル=バシャとの共演でやはりシューマンのソナタ第2番を取り上げるそうです。…と思っていたら、別のことでニュースが続々と流れた堀米ゆず子さんも上野でのオール・シューマンの演奏会でやっぱりヴァイオリン・ソナタ第2番を演奏されるとのこと! というわけで、これらのヴァイオリン・ソナタ第2番の演奏会情報をまとめてみました。


■庄司紗矢香 2012 リサイタル 日本ツアー情報

ジャンルカ・カシオーリ (ピアノ)

(プログラムA)
ヤナーチェク / ヴァイオリン・ソナタ
ベートーヴェン / ヴァイオリン・ソナタ 第10番ト長調 op.96
ドビュッシー / ヴァイオリン・ソナタ ト短調
シューマン / ヴァイオリンソナタ 第2番 ニ短調 op.121

10月6日(土) 八ヶ岳高原音楽堂(長野)
10月7日(日) 彩の国さいたま芸術劇場
10月8日(月・祝) 東京文化会館
10月20日(土) 横浜みなとみらいホール
10月23日(火) 電気文化会館 ザ・コンサートホール(名古屋)

(プログラムB)
ヤナーチェク / ヴァイオリン・ソナタ
ベートーヴェン / ヴァイオリン・ソナタ 第10番 ト長調 op.96
ドビュッシー / ヴァイオリン・ソナタ ト短調
シューベルト / 幻想曲 ハ長調 D934

10月11日(木) 水戸芸術館
10月19日(金) フィリアホール(横浜)
10月27日(土) 黒崎ひびしんホール(北九州)
10月28日(日) プラバホール(島根・松江)
10月30日(火) サントリーホール

(プログラムC)
ベートーヴェン / ヴァイオリン・ソナタ 第5番ヘ長調 op.24
ヤナーチェク / ヴァイオリン・ソナタ
ドビュッシー / ヴァイオリン・ソナタ ト短調
シューマン / ヴァイオリンソナタ 第2番 ニ短調 op.121

10月13日(土) みやまコンセール(鹿児島)
10月14日(日) アルカスSASEBO(長崎)
10月16日(火) 倉敷市芸文館ホール(岡山)
10月21日(日) 入善町民会館コスモスホール(富山)
11月1日(木) 静岡音楽館AOI
11月4日(日) 札幌コンサートホール Kitara

(プログラムC ※最終曲がシューベルト)
ベートーヴェン / ヴァイオリン・ソナタ 第5番ヘ長調 op.24
ヤナーチェク / ヴァイオリン・ソナタ
ドビュッシー / ヴァイオリン・ソナタ ト短調
シューベルト / 幻想曲 ハ長調 D934

11月3日(土) いずみホール(大阪)

ツアー日程(庄司さんのFB)
ジャパン・アーツの庄司さんのページ

・ NHK-BSプレミアムで2010年のサントリーホール公演の放送予定あり。

  *10/11(木) 06:00~ NHK-BSプレミアム「クラシック倶楽部」
   庄司紗矢香(ヴァイオリン)、ジャンルカ・カシオーリ(ピアノ)

  (オール・ベートーヴェン)
  ヴァイオリン・ソナタ 第2番 イ長調 op.12-3
  ヴァイオリン・ソナタ 第5番 ヘ長調 op.24 「春」
  ヴァイオリン・ソナタ 第8番 ト長調 op.30-3 から 第2楽章
  (2010年 11/8 サントリーホール)

カシオーリ 11/8紀尾井リサイタル詳細(ジャパン・アーツ)

カシオーリのシューマンCD。
ピアノと管弦楽のための幻想曲 イ短調 (1841) [世界初録音]
[ピアノ協奏曲 イ短調 op.54 第1楽章の原曲]
Mario Venzago (指揮) バーゼル交響楽団

(併録)
序曲、スケルツオとフィナーレ op.52
交響曲 第4番 ニ短調 op.120
1999, 2000年録音 NOVALIS

以前、庄司さんが日本でのツアーでシューマンのヴァイオリン・ソナタ(第1番、ピアノ:ゴラン、2005年)を取り上げた時の公演記録(当サイト内DB)

※Googleで検索したら2005年のこのニュース欄の記事がヒットしました…
(私のやることは何年たっても変わらない?!)


■戸田弥生 ヴァイオリン・リサイタル

ベートーヴェン、シューマン、ブラームスの3人は「一生かけて勉強していきたい作曲家」(*1)と語る戸田さんが、まさにその3人の作品をプログラムに並べたリサイタル。シューマンの2番は特に好きな作品とのことですが(*2)、「好きだからというだけでは容易に取り上げられる作品ではな」い、何かの「節目」や「新たな境地を目指すときに弾きたい音楽」ともインタビューで語っているほど(*3)(*4)、特別な思い入れを持たれているようです。

(*1)…「音楽の友」2012年10月号(第70巻第10号) p.147
(*2)…前掲、同頁。
(*3)…「音楽現代」2012年10月号(第42巻第10号) p.92
(*4)…今回のリサイタルはエリーザベト王妃国際コンクール優勝から20周年の「節目」のリサイタルとのこと。

(公演情報)
2012年 10月18日(木) 19:00開演
浜離宮朝日ホール
戸田弥生 ヴァイオリン・リサイタル

アブデル・ラーマン・エル=バシャ (ピアノ)

シューマン / ヴァイオリン・ソナタ 第2番 ニ短調 op.121
ベートーヴェン / ヴァイオリン・ソナタ 第8番 ト長調 op.30-3
ブラームス / ヴァイオリン・ソナタ 第3番 ニ短調 op.108

浜離宮朝日ホール 公演詳細
KAJIMOTO 公演詳細

インタビュー記事(KAJIMOTO) - 10月にリサイタル! ~エリーザベト優勝20周年を迎える戸田弥生が語る過去と未来

エル=バシャ 10/16紀尾井リサイタル詳細&ツアー日程(ジャパン・アーツ)

・ NHKのFMとBSで戸田さん出演のベートーヴェンの室内楽公演の放送予定あり。

  *10/31(水) 19:30~ NHK-FM「ベストオブクラシック」
  *11/9(金) 06:00~ NHK-BSプレミアム「クラシック倶楽部」
   伊藤恵(ピアノ)、戸田弥生(ヴァイオリン)、伊東裕(チェロ)

  (オール・ベートーヴェン)
  チェロ・ソナタ 第4番 ハ長調 op.102-1
  ヴァイオリン・ソナタ 第9番 イ長調 op.47 「クロイツェル」
  ピアノ三重奏曲 変ロ長調 op.97 「大公」
  (2012年 9/30 熊本県荒尾市荒尾総合文化センター)

戸田さんのシューマンCD。
シューマンのヴァイオリン・ソナタ第3番 第3楽章 Intermezzo が収録されています。
戸田弥生(ヴァイオリン)、林達也(ピアノ)
2006年録音 EXTON

エル=バシャのシューマンCD。
ソナタ 第2番 ト短調 op.22
森の情景 op.82
ソナタ 第3番 ヘ短調 op.14
 1. Allegro brillante
 2. Scherzo. Vivacissimo (初稿第2楽章)
 3. Quasi Variazion: Andantino de Clara Wieck
 4. Prestissimo possibile

1993年録音 FORLANE

アマゾン、iTunes Storeでダウンロード購入もできるようです。


■堀米ゆず子 東京文化会館 プラチナ・ソワレ

堀米さんのヴァイオリンが無償で返還されることが決まり、本当によかった!^^ (ヒラサ・オフィスのウェブサイトに今回の件に関する堀米さんの長文のメッセージが掲載されています。)

この上野の「プラチナ・ソワレ」というシリーズはこれまでの「レクチャーコンサートシリーズ」に代わる新シリーズだそうです。チェロの山崎伸子さんと、最近私が注目している若いピアニストの津田裕也さんとの共演によるオール・シューマン・プログラムの演奏会。

(公演情報)
2012年 12月21日(金) 19:00開演
東京文化会館 小ホール
プラチナ・ソワレ 第3夜「冬の一夜、シューマンとともに」

堀米ゆず子 (ヴァイオリン)
山崎伸子 (チェロ)
津田裕也 (ピアノ)

(オール・シューマン・プログラム)
アダージョとアレグロ 変イ長調 op.70
子供の情景 op.15
ヴァイオリン・ソナタ 第2番 ニ短調 op.121
ピアノ三重奏曲 第1番 ニ短調 op.63

東京文化会館の「プラチナ・ソワレ」のページ

・ NHK-BSプレミアムで山崎伸子さん、堀米ゆず子さんが出演した演奏会の放送予定あり。

  *11/19(月) 06:00~ NHK-BSプレミアム「クラシック倶楽部」
   徳永二男(ヴァイオリン)、山崎伸子(チェロ)、清水和音(ピアノ)
   ブラームス / ピアノ三重奏曲 第1番 ロ長調 op.8
   メンデルスゾーン / ピアノ三重奏曲 第1番 ニ短調 op.49 から 第2楽章 ほか
   (2009年 10/15 浜離宮朝日ホール)

  *11/29(木) 06:00~ NHK-BSプレミアム「クラシック倶楽部」
   「堀米ゆず子 バッハとブラームスを弾く」
   リュック・ドゥヴォス(ピアノ)
   (2012年 8/1、8/6 上野学園石橋メモリアルホール)

・ 山崎伸子さんのシューマンCD。

幻想小曲集 op.73
トロイメライ op.15-7
(併録)ベートーヴェン WoO 45、op.5-2 ほか

山崎伸子(チェロ)、長岡純子(ピアノ)
2009年11月19日 津田ホール、ライヴ録音。
LIVENOTES

・ 津田裕也さんのシューマンCD

幻想小曲集 op.12
2008年録音 SIMC
(第3回仙台国際音楽コンクール優勝記念CD)

(併録)
ベートーヴェン / ピアノ・ソナタ 第8番 op.13
シューベルト / 楽興の時 第2番 D780-2, op.94-2
シューベルト / さすらい人幻想曲 D760, op.15

3つのロマンス op.94
松山冴花(ヴァイオリン)、津田裕也(ピアノ)
2009年録音 LIVENOTES

(併録)クライスラー、タルティーニ、サラサーテ、ファリャ、ヴィターリ

生誕記念日のクララ・シューマン三題 - (3) 映画「愛の調べ」上映と伊藤恵ピアノ・リサイタル(2012年11/10 渋谷)

さて、「三題」と題したものの、3つ目の記事を書く前に日本では日付が変わって9/14になってしまいました。でも地球のどこかはまだクララの生誕記念日当日でしょうから、気にせず続きを書くことにします。

クララ生誕193年のGoogleのトップページをご覧になって、クララ・シューマンに興味を持たれた方におすすめしたいのが、クララを主人公にシューマン夫妻の愛を描いた映画「愛の調べ」です。
(原題 "Song of Love"、クラレンス・ブラウン監督作品、1947年アメリカ。キャサリン・ヘップバーン主演。ピアノ演奏はアルトゥール・ルービンシュタイン)



この映画の上映と伊藤恵さんのピアノ・リサイタルがセットになった公演が11月10日(土)に渋谷で開催されるそうです。ホールで映画を観た後、コンサートも聴けてしまえる贅沢な企画。

以下、詳細と演奏予定曲目です。

■「愛の調べ」シネマ&リサイタル 伊藤恵 plays シューマン
2012年 11/10(土) 13:30開演
渋谷区文化総合センター大和田 さくらホール
(渋谷駅の近くです。山手線の外側、恵比寿寄り)

【第1部】 映画「愛の調べ」上映

【第2部】 伊藤恵 ピアノ・リサイタル

(演奏予定曲目)
ロベルト・シューマン / アラベスケ(アラベスク) op.18
クララ・シューマン / 4つの束の間の小品 op.15
ロベルト・シューマン / 色とりどりの小品 op.99 より
             第1曲~第3曲 「3曲の小品」
             第4曲~第8曲 「5曲の音楽帳」
ヨハネス・ブラームス / シューマンの主題による変奏曲 op.9
シューマン=リスト / 献呈

【問い合わせ】
樂画会(がくがかい) 03-3498-2508

詳細(樂画会)

●映画「愛の調べ」 DVD

●そのほかのシューマン夫妻を描いた映画のDVD

ライマンのシューマン追悼作品日本初演(2012年5月、下野竜也指揮 読響定期)

いささか古い話で恐縮ですが、どこかに記録として残しておきたいので、ここに簡単な記録を。

5月の読響定期(5/15 下野竜也指揮)、6月のN響定期(6/20, 6/21、Bプロ、アシュケナージ指揮)と2か月続けてサントリーホールでシューマンのヴァイオリン協奏曲が取り上げられ、「もうこんなことは私が生きている間にはないかも?」と思いつつ聴きに出かけました。(ヴァイオリン独奏はそれぞれ三浦文彰、アナ・チュマチェンコ。若手と大家の対比ができたのもおもしろかった。)

読響のプログラムはオール・シューマンのようでオール・シューマンではない、ちょっと変わったプログラムでした。(N響の方は純然たるオール・シューマン・プログラム) 下野さんがこの読響定期で1曲目に取り上げたのはベルリン生まれの作曲家アリベルト・ライマン (Aribert Reimann, 1936- ) による「管弦楽のための7つの断章 -ロベルト・シューマンを追悼して-」という14~15分くらいの短い作品。これが日本初演でした。

開演前に下野さん自身によるプレトークがあり、ライマンのこの曲について簡単な解説がありました。この曲は、シューマンの、いわゆる「天使の主題による変奏曲」へのオマージュであるとの紹介と共に、ピアノ演奏による「天使の主題による変奏曲」の一部が録音で紹介されました。

※この「天使の主題による変奏曲」とよく似た旋律がヴァイオリン協奏曲の第2楽章にも使われています。

ライマンの作品を聴いた私の感想なのですが、一言で言ってしまえば「恐ろしい曲だった」ということに尽きます。断片的に演奏される美しく静かな「天使の主題」と、混沌かつ騒然とした不協和音の大音響の対比はまるでシューマンが晩年に苦しめられていた「あの耳鳴り」を思わせたからです。フルオーケストラによるけたたましい「耳鳴り」の響きの中で天使の歌が清らかに歌われている…それはまるでシューマンがライン河に飛び込む直前に聴いていたかもしれない幻聴のようでした。このライマンの後で演奏されたヴァイオリン協奏曲、その第2楽章の美しかったこと。(いや、これもある意味では「恐ろしい曲」と言ってもよいのかもしれませんが…)

定期演奏会の曲目解説などを掲載した読響の冊子「月刊オーケストラ」の2012年5月号に渡辺和さんによる作品解説と、長木誠司さんによる「アリベルト・ライマンとは誰か?」という特集記事が掲載されています。(読響はライマンのオペラ「メデア」と「リア王」の日本初演に参加する予定だそうです。) この冊子、バックナンバーの取り寄せが可能かどうか定かではありません。(冊子本体にも、読響のウェブサイトにも何も書かれていないため)

ご参考までに、以下にライマン関係のリンクを載せておきます。

アリベルト・ライマン (Wikipedia / 日本語)

Aribert Reimann: Sieben Fragmente für Orchester in memoriam Robert Schumann (1998) (Wikipedia / ドイツ語)

Aribert Reimann: Sieben Fragmente für Orchester in memoriam Robert Schumann (1998) (SCHOTT / 英語)


※ついでなので、本文で触れた読響とN響の公演記録を掲載しておきます。

●2012年 5/15(火) 19:00開演
サントリーホール

読売日本交響楽団 第515回定期演奏会

下野竜也 (指揮)
三浦文彰 (ヴァイオリン)

ライマン / 管弦楽のための7つの断章 -ロベルト・シューマンを追悼して- (日本初演)
シューマン / ヴァイオリン協奏曲 ニ短調

(ソリストのアンコール)
パガニーニ / 「パイジェルロの水車屋の娘から 我が心もはやうつろになりて」による変奏曲 op.38

シューマン / 交響曲 第2番 ハ長調 op.61

●2012年 6/20(水)・6/21(木) 19:00開演
サントリーホール

NHK交響楽団 第1732回定期公演 (Bプロ)

ウラディーミル・アシュケナージ (指揮)
アナ・チュマチェンコ (ヴァイオリン)

(オール・シューマン・プログラム)
「マンフレッド」 op.115 序曲
ヴァイオリン協奏曲 ニ短調
交響曲 第4番 ニ短調 op.120

※初日の模様はNHK-FMで生放送されました。
初日の演奏会は8/19(日)にNHK-BSプレミアムで放送される予定です。

N響放送予定